こんにちわ。sakuranokiiです。
前回の【伝え方編】はご覧になられたでしょうか?
本記事は続編として、プレゼンを成功させたい人へ「質疑応答のコツ」をお教えします。
発表はなんとかできるけど、何が起こるかわからない質疑応答はどうしても苦手という方、多いのではないでしょうか?
本記事を読めば質疑応答のコツがつかめ、苦手意識が消えると思いますので、ぜひ読んでいってください!
準備編:想定質問は第3者目線で考える
前編での資料作りや発表と同じように、質疑応答でも事前準備が非常に大事です。
自分の発表に対する想定質問をできるだけ多く考えておきましょう。
想定質問を考える際のコツとしては、自分の発表を客観的に見ることです。
スライド1枚1枚に対して、「初めて聞く人はどんな疑問を持つだろうか?」と自問します。
筆者の経験ですが、このときに想像した質問は本番でも聞かれることが多いです。
正直な話、貴方が思っているほど限られた時間の中で聞き手は発表を深くは理解できません。
普通に聞いてて素直に疑問に思うことが質問されるのです。ひねった質問や細かい質問、高度な質問はめったに聞かれません。
自分で1通り想定質問を洗い出した後は、必ず複数人に発表して質問してもらいましょう。
そのときによく聞かれる質問は本番でも聞かれる可能性が非常に高いので、たくさん質問してもらうほど本番で成功する確率は上がりますよ。
筆者の経験談ですが、想定質問を考える際に、発表を深く理解しないと出てこないような高度な質問ばかり考えていて、当日聞かれた普通の質問にむしろうまく答えられなかったことがあります(笑)。初めて自分の研究を目にする聞き手の立場になって質問を想定することの大切さを思い知りましたね。
準備編:想定解答は文章化する
客観的な目線で想定質問を洗い出した後は、解答を用意します。
このときのコツは、頭の中で考えるだけでなく、解答を文章にすることです。
文章化することのメリットは下記のとおりです。
文章化は時間がかかり面倒ですが、それ以上に絶大なメリットがあるのでぜひともやっていただきたいです。
また、練習や本番で実際に聞かれたことと自分の回答、後で考えた模範解答をそれぞれ記録しておき、次回プレゼン時に復習して活かしましょう。
質問への解答力も、実践し反省するの繰り返しが最も効果的な鍛え方だと思います。
特に博士課程の学生さんや進学を考えているマスターの方には強くお勧めします。博士論文発表会の際に何年も前の研究についてプレゼンすることになるので、昔作った質疑応答集は筆者の経験上非常に役立ちますよ。
実践編:結論から言う
質疑応答の難しいところは、どの情報を話すのかとっさの判断が求められる点です。
まず伝えるべき情報は、質問に対するストレートな答えです。
例えば、「はい」か「いいえ」、「やった」か「やってない」など2択で答えられる質問は必ずどちらなのかを始めに答えましょう。
2択の質問でない場合は、まずは結論を答えた後、そこに至る背景やデータを説明するという順番が好ましいです。
「結論から答える」は簡単なようで意外にできている人は少ないです。
答えに至るまでの背景やデータを先に説明してしまう人が多いです。なぜなら、その順番の方が回答者は自然に話しやすいですので。
ですが、聞き手にとっては遠回りな答え方なのでストレスです。気をつけましょう。
一方で、想定していない質問で結論がすぐに出てこない場合もありますよね。
答えがすぐ出てこない場合は、まずは関連するデータを話しましょう。分からないからといって黙るのは絶対ダメだし、「分からないです」とだけ答えるのもNGです。
データを言いながら考えて、答えが出てくれば良いし、それでも分からないなら素直に「分からないです。今後の課題ですね。」などと答えましょう。
答えられないことがあるのは仕方がありません。
むしろ答えられない質問は自分の視野を広げる質問であり、新たな発見につながるかもしれませんので質問者に感謝しましょう。
伝え方編と同じように質疑応答も相手基準の姿勢が大切です。相手が理解しやすいように答えましょう。また、質問をされたときに嫌そうな顔はしないでください(笑)。質問するということは貴方の研究に興味があるということなので、喜ぶべきことですよ。
実践編:事実と考察は分ける
質疑応答が苦手な人がやりがちなことが、事実と考察をごちゃ混ぜにすることです。
議論するときは、どこまでが分かっていてどこからが分からないかを明確にしないと話が進みにくいです。
まず事実=データを言ってから、考察=自分の見解を話すという順番が良いでしょう。
考察を話す際は、「これは私の意見ですが・・・」や「想像なのですが・・・」と一言断ると聞き手に分かりやすいです。
議論時には論理破綻しないなら自分の考えを謙遜せずに言っていいと思います。
質問者は誰よりもこの研究に詳しい発表者の考えは聞きたいものですよ。
また、質問者から自分の考察に対する意見がもらえるとありがたいです。研究発表する真の目的はこの情報交換のためですから。
質疑応答は質問者が発表者をいじめる場では決してありません(笑)。有意義な情報交換ができる場です。分野の違う専門家から違った視点で質問を頂くこと、意見を頂けることは研究の幅を広げる意味で非常に貴重です。しっかり準備をして、議論を楽しみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると下図のようになります。
上手く答えられないかもしれないという不安が、質疑応答が嫌になる原因かと思います。
その不安を払拭するには、想定質問回答集を作り、実際に誰かと練習するしかないです。
ただ入念に準備したとしても想定外のことは聞かれるかもしれません。
予想外の質問が来ても、質問者に寄り添い積極的に議論する姿勢を忘れないでください。
その場で正解を答えられなくても、有意義な議論ができれば、質疑応答は成功なのです。
以上、ご参考になれば幸いです。
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