研究発表を成功させたい人へ【伝え方編】

研究発表を成功させたい人へ【伝え方編】悩み
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こんにちわ。sakuranokiiです。

研究室に配属されたからには避けて通れないのが研究についてのプレゼンです。

研究発表に関しては多くの学生さんが以下のように悩んだことがあるでしょう。

これで研究内容が相手にしっかり伝わるのだろうか・・・

難しい質問にちゃんと答えられるか心配・・・

そもそも大勢の前で話すことが苦手・・・

筆者は6年間の研究室生活で、研究室内の報告会や勉強会、卒論、修論、公聴会、学会発表、企業との交流会などとゆうに100回以上は大勢の前で研究発表を行ってきました。

その経験から培った、研究発表を成功させるための方法を数記事にわたって解説したいと思います。

まず、本記事では「研究内容が相手にしっかり伝わるのだろうか・・・」という不安を解消すべく、研究内容の伝え方についてお話しさせて頂きます。

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相手基準を徹底する

相手基準を徹底する
sakuranokii
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結論から言うと、研究内容を相手に分かってもらうために最も大事なことは、徹底的に相手目線で発表することです。

研究が相手に理解してもらえない主な原因は、毎日その研究に取り組んでいる自分にとっては当たり前だが、初見の相手にとっては当たり前ではないことに気づかず発表しているせいです。

話し手と聞き手の知識の差を意識し、差を埋めるように発表すれば相手は理解しやすいです。

そのためには、発表資料を作る際、「この研究について初めて聞く人はどこに興味をもつだろうか?どこを疑問に思うだろうか?」と、客観的な目線を持つことが重要です。

この相手基準で発表する姿勢さえしっかりしていれば基本的に問題ありません。

逆に自分基準で話している場合、いくら自分が面白い研究をしていると思っていても、その面白さは相手に伝わりにくいです。相手基準を意識しましょう。

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背景の話し方

背景の話し方

研究発表は、「研究の背景」⇒「実験結果と考察」⇒「結論」 という流れで話します。まずは、「研究の背景」の話し方のポイントについて説明します。

背景の話し方のポイント

①一番最初に話す話題は相手に合わせて変える

②研究対象としている分野の課題点を明確に伝える

③課題点に対してどうアプローチしたか伝える

①一番最初に話す話題は相手に合わせて変える

一番最初の話題でなんだか面白そうだと興味を持ってもらえるかがとても重要です。そのためには、相手にとって身近な話題から話しましょう。

筆者の専門の有機合成化学で例えるなら以下の通りです。

・まったく化学を知らない人の場合
⇒化学は生活に近い学問で身の回りにある日用品は化学の研究成果のたまものです。たとえば私の研究は医薬品の開発に貢献するもので、、、

・化学をある程度知ってる人の場合
⇒有機合成化学は石油などの天然資源をいかに効率よく役に立つものに変換するかを突き詰める学問です。その中で私が注目したのは〇〇という材料で、、、

・同じ専攻の人の場合
⇒同業者は目が肥えているので、淡々と話すよりも、自分の研究がいかに重要かを「熱を持って」説明すると興味を持ってもらいやすいです。

学生の間は同じ専攻の人に対して話す場合がほとんどですが、就活の際など専門外の人に話す機会は必ず訪れます。相手に合わせた切り口をいくつか用意しておきましょう。

②研究対象としている分野の課題点を明確に伝える

全ての研究は何かしらの課題に対する解決策になっているはずです。まずはその課題点を明確にしないと、研究の最終目的・全体像が伝わらないです。

そうなると、「これは何のための研究なのか?」と聞き手はもやもやを抱えます。その状態で実験結果を聞いても全体像が見えないため、「なんだかよくわからなかった」と思われてしまいます。

「この研究の課題点は2つあって、〇〇と〇〇です。」「この分野では昔から〇〇という課題があり、私はこれに取り組みました」といった具合に、課題点をまとめたスライドを1枚作って明確に伝えるとよいでしょう。

③課題点に対してどうアプローチしたか伝える

課題点を明確にした後は、その課題に対して自分はどう取り組んだのかを伝えます。

この際、聞き手が思うであろう以下4つの疑問に答える形で話すことをお勧めします。

1. 先行研究はどのような手法なのか?
2. それに対して自分の手法はどう違うか?
3. その違いはどういうメリットがあるのか?
4. どういう経緯でその手法を思いついたのか?

解決策を話す際は徹底的に理詰めで話しましょう。ここで変な理屈だなと相手に思われてしまうと、実験結果の説得力がなくなってしまいます。

実験結果の話し方

実験結果の話し方

実験結果の話し方のポイントは下記の3つです。

実験結果の話し方のポイント

①背景で述べた課題を解決している結果をまず伝える

②細かい話は議論にとっておく

③実験事実と自分の意見は明確に分ける

背景で述べた課題を解決している結果をまず伝える

相手が一番知りたい結果は背景で述べた課題点を解決している結果(コアデータ)です。まず初めにコアデータを示しましょう。

コアデータにたどり着くまでの経緯や、コアデータをサポートする結果はできるだけ後回しにしましょう。相手の好奇心を満たすような順番で話すことが大事です。

②細かい話は議論にとっておく

毎日実験している発表者にとっては、苦労して集めた膨大なデータを余すことなく発表したいと思ってしまいがちです。

ですが、課題に対する解決につながらない話や、新たな解決策につながるような新発見、応用例でない限りは、聞き手にとっては細かい話にしか聞こえません。

客観的な目線で発表内容を振り返り、「これは細かい議論だな」と感じたのなら発表しないでおきましょう。

ただ集めたデータは決して無駄にはなりません。質疑応答の議論の際に使える武器になりますので、サポートデータとして隠しスライドにしておきましょう。

③実験事実と自分の意見は明確に分ける

研究発表は基本的に実験事実を述べる場ですが、自分の予想を話すときもあるかと思います。

そんなときは、まず初めに「これは私の予想ですが・・・」「〇〇という結果から想定した私の考えなのですが・・・」といった具合に、実験事実ではなく、自分の意見であることを明確に伝えましょう。ここがはっきりしていないと議論の際に聞き手が質問しにくいです。

sakuranokii
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このポイントは質疑応答時のポイントでもあるので、しっかり押さえておきましょう。

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結論の話し方

結論の話し方

最後に、結論の話し方のポイントを2つお伝えします。

結論の話し方のポイント

①課題のリマインド、解決方法、実際の貢献度の順番に伝える

②本論で話していない実験結果は入れない

①課題のリマインド、解決方法、実際の貢献度の順番に伝える

結論は発表の重要事項のまとめです。ここでも相手目線を意識すると、以下のような順番で話すのが良いでしょう。

1. 研究テーマの課題のリマインド
2. 課題に対する解決方法と対応するコアデータ
3. 実際に課題がどれほど解決されたのか、貢献度を伝える
4. まだ残っている課題があれば伝える

研究課題と解決策、実際の貢献度を話すだけでも十分ですが、加えて、今後の見通しまで聞ければ、プレゼンを聞いた相手は知識欲が十分に満たされるでしょうし、残っている課題に対して何かアドバイスをしてくれるかもしれませんよ。

②本論で話していない実験結果・考察は入れない

結論は基本的に発表内容の要約です。たまに見かけますが、本論中に話しきれなかったデータを追加することは混乱を招くので絶対NGです。

また、本論中で一切話していない考察を結論で急に述べるのも聞き手がついていけない可能性が高いので避けた方が良いでしょう。

発表の練習方法

発表の練習方法

発表の練習とは、1人で原稿を読んで覚えることではありません。実際のプレゼン本番に近い状況を作ることが本当の意味での練習です。

セリフを覚えて、聞き手を何人か用意して、実際にプレゼンしてみて、分かりにくかったところを指摘してもらいましょう。

sakuranokii
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1人よがりにならず、聞き手の意見を取り入れることが最も効果的な発表練習です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事をまとめると下図のようになります。

プレゼンを成功させたい人へ【伝え方編】まとめ

毎日苦労してデータを出した研究が、「これは面白い」と評価してもらえると本当にうれしいです。

相手基準を意識して、相手に伝わる研究発表ができるようになれば、プレゼンは怖いものではなく、むしろ楽しいものになると思いますよ。

以上、この記事が研究発表を成功させたい人の助けになれば幸いです。

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