こんにちわ。sakuranokiiです。
理系研究室の学生なら多くの方が学会でのポスター発表は経験されると思います。
ポスター発表を控えた学生はこんなことで悩むのではないでしょうか?
見やすいポスターの作り方がわからない・・・
ポスター発表のコツが知りたい・・・
できればポスター賞をとりたい・・・
ポスター発表は大人数相手の通常のプレゼンとは形式が全く異なるため、別の対策が必要です。
筆者は学生時代にポスター発表は10回以上経験しており、ポスター賞も3回受賞しました。
そんなポスター発表に熟知した筆者が、ポスター発表を成功させたい人に向けて様々なコツを数記事に分けて紹介させていただきます。
まず本記事では【準備編】として、ポスター発表前にやるべきことをお教えします。
ポスター発表の特徴
まずは、初めてポスター発表をされる方に向けてポスター発表とは何かについてお話しします。
ポスター発表とは、主にA0サイズのポスターに研究の要約を書き、ポスターを見に来た人に研究内容を説明し議論する会です。
ポスター発表の特徴を通常の口頭発表と比較しまとめたものを下記に示します。
比較対象 | ポスター発表 | 口頭発表 |
---|---|---|
プレゼン資料 | 主にA0サイズの用紙 | PowerPoint等のスライド |
発表者 | 数十人が同時に発表 | 1名ずつ発表 |
聞き手 | 自分のポスターを見に来た1人ひとり (合計で多くて10人ほど) | 発表会場にいる全員(50人以上) |
発表時間 | 1~2時間 | 5~20分 |
質疑応答時間 | 決まっていない=質問者の気が済むまで | 2~10分 |
口頭発表と比べたポスター発表の大きな特徴は、「深い議論ができる」という点です。
なぜなら、ポスター発表では発表時間内であれば質問者の気が済むまで質疑応答が可能なので、気になる点についてお互いとことん議論できるからです。
1人相手に10分以上議論しても問題ありません(笑)。
また、ポスター発表は発表者と質問者が1対1で会話する形式です。
よって、口頭発表のように周りに多くの聴講者がいるせいで質問しにくいことも聞けるため、「質問者の本音」が聞ける場であることも特徴です。
「質問者の本音」が聞けるのと同じ理屈で、「発表者の本音」も言いやすい雰囲気がポスター発表にはあります。
研究者の本音が聞ける場として、ポスター発表は良い情報収集の機会になると思いますよ。
口頭発表に対して、ポスター発表は1対1の会話形式だし時間的にもゆとりがあるのでリラックスした気持ちで臨めますね。国際学会だとコーヒーやお菓子が出される場合も多いです(笑)。初めて研究発表する人でもあまり緊張せずにプレゼンできると思いますよ。
ポスター作りのコツ
ポスター発表の成功とは、できるだけ多くの人に自分の研究を聞いてもらい、有意義な情報交換を行うことだと筆者は思います。
そのためには、発表資料のポスターをどれほど作りこむかは非常に重要です。
なぜなら、話を聞くかどうかの判断基準として、情報が整理されており見やすいポスターかどうかはとても重要だからです。
会場にいる人は興味がある分野のポスターが目に入ると、質問する前に一度離れた位置からどんな研究かざっくり読みます。
そのときに情報が混沌としていて分かりにくいポスターは、たとえ興味があっても避けられてしまうため、せっかくの機会が台無しです。
話を聞きたくなるようにポスターの見た目を工夫することは必要不可欠です。
ポスター作製時のコツを、筆者の例を使いながら説明すると以下のようになります。
特に注力すべきは研究の要約ですね。
ここを見て面白そうと思ってもらえれば聞き手の獲得につながると思います。
上記はあくまで一例なので、実際にプレゼンしたときに話しやすかったかどうか、相手の理解度はどうだったか等を参考にし、自分の研究テーマに合わせてポスター作りの技術を磨いていってほしいです。
ポスターの印刷用紙には普通の紙以外にも光沢紙や布があります。光沢紙は折りたためないので持ち運びが面倒ですがポスターの見栄えがきれいです。布は高価ですが折りたたんでも皺が目立たないので、鞄に入れて持ち運び可能なところが利点です。近距離出張なら光沢紙、遠距離出張なら布が筆者のスタイルですね。
原稿作りでの注意点
ポスター発表も口頭発表と同様に原稿は作っておいた方がいいです。
このときの注意点は3つあります。
①について、初めてポスター発表する人がやりがちなのが口頭発表の原稿そのままで話すことです。
ポスターは1対1の会話なので、口頭発表のように話されると違和感があります。
先生と研究テーマについて議論するときの普段の話し方でいいですよ。
②について、ポスターに書いたことを全て説明するとついつい長くなってしまいます。
聞き手は貴方のポスターに興味があるとは思いますが、実際に話を聞いてみるとそうでもなかった場合もあります。
その場合、聞き手は時間の無駄になってしまうし、説明する側も良い質問は引き出せないのでお互いメリットがあまりないです。
まずは大枠が理解できるように研究の面白い部分や重要な結果だけを3~5分で要約し話します。
要約を聞いた上で聞き手が興味を示せば他の情報も伝えるという流れがお互いにとって良いかと思います。
③について、聞き手の中には多くのポスターをまわるため時間がなく、簡単に説明してほしいと要求する人も結構います。
普通に説明する用の約3~5分ほどのロングバージョンとは別に、忙しい人用に約1分ほどで説明するショートバージョンの原稿を作っておくと便利ですよ。
ショートバージョンは研究の要約部分+一番興味深い結果のみで原稿を作れば良いと思います。
学生ポスター賞の審査員を担当する先生は特に多くのポスターを回らないといけませんので、ショートバージョンをお願いしてくるケースがあると思います。上手く1分で説明できたら良い評価を頂けると思いますよ。
練習で気を付けること
ポスター発表でも聞き手を用意して練習することは必須です。
練習の際に気を付けてほしいことは、聞き手の意見は基本的に全て反映させることです。
練習すると聞き手から、「ここの説明が分かりにくかった」「この図はもっと大きくした方がいい」「色使いが見にくい」など色々なアドバイスが出るかと思います。
論理破綻した意見でない限りは全ての意見を素直に受け入れましょう。
ポスター発表は特に聞き手との距離が近いので、聞き手が満足するような発表にしないと意味がないので、変なプライドやこだわりは捨てましょう(笑)。
客観的な意見を取り入れることはプレゼン成功への近道ですよ。
ポスターは記載する情報が多いので注意していても誤字脱字が多くなります。筆者の研究室では完成したポスターは一度印刷して研究室内に掲示し、手の空いた人が誤字脱字を修正したり、質問が書き込んだりする文化がありました。周りと協力して効率よくポスターの準備をしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事をまとめると下図のようになります。
ポスター発表は口頭発表とは違った特徴があるので、それに合わせた発表準備をしましょう。
ポスター発表は話しやすい雰囲気があるので、経験上貴重な意見を頂けることが多いです。
学生間であれば交友関係を広げることにもつながりますよ。
しっかり準備して、ポスター発表を楽しみましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
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