こんにちわ。sakuranokiiです。
【準備編】はご覧になられたでしょうか?
本記事では、ポスター発表を成功させたい人へ【発表編】として、ポスターを使って発表する際のコツを伝授いたします。
【準備編】と同様に、大人数相手の口頭発表とは形式が違うポスター発表では意識すべきことが違います。
本記事を読めば、ポスター発表が上手くなること間違いなしです。
話す順番を工夫
大人数相手の発表とは異なり、ポスター発表は聞き手が1人しかいません。
その1人につまらないと思われたらほとんど質問されず、せっかくプレゼンしても有意義なアドバイスを頂けない場合があります。
したがって、ポスター発表は聞き手を飽きさせないように発表の仕方を工夫すべきです。
まずは、話す順番ですね。
大人数相手の研究発表は通常、背景⇒テーマ概要⇒実験結果⇒結論という順番でプレゼンします。
一方、ポスター発表の場合は、テーマ概要⇒背景⇒1番面白い結果⇒実験結果⇒結論の順番で話しましょう。
背景から説明し始めるとどうしても肝心な部分にたどり着くのが遅くなります。
初めにどんなテーマを研究しているのか伝えたほうが、聞き手はストレスが少ないです。
次に、背景を話した後、背景で示した課題の解決に相当する1番興味深い実験結果を話します。
この順番で話す狙いは、聞き手に本テーマに対して好印象を抱かせ、後の話も関心を持って聞いて頂くためです。
このとき「ある方法を使うことで良い結果が得られました」など伏線を貼るとより効果的ですよ。
プレゼンを成功させたい人へ【質疑応答編】の「結論から言う」節で書いた話し方がポスター発表では有効です。自分が話しやすい順番よりも聞き手にストレスを与えないような順番で発表することがコツですよ。
まずは重要な部分だけ話す
話す順番だけでなく話す内容も工夫しましょう。
【準備編】の「原稿作りの注意点」節で書いたように、ポスター発表では細かい話は後回しにして、まずは大枠を理解させるように話すのが良いです。
工夫すべきは背景と実験結果の説明です。
背景と実験結果は全て話すと長くなりますので、重要な部分だけを要約し伝えましょう。
背景は下記の問いに対する端的な答えをつなげれば良い要約になります。
「課題は何か?」「課題を解決するメリットは?」「課題解決を指向した過去の代表例を1つ挙げると?」「それに対して本テーマは課題にどうアプローチしたか?」を自問自答しましょう。
実験結果の要約例を挙げると、「〇〇という目的で〇〇という実験をしました。結果は〇〇で上手くいきました or 改善が必要です。」という感じで各実験内容を説明します。
ポイントはその実験の結論に相当する結果だけ言うことと、考察はあまり言わず議論にとっておくことです。
以上の点を意識して話すことで、約3分でポスターを1通り説明すること(長くても5分以内)を目標にしましょう。
ポスター発表のセリフは文章化して原稿として作りこむといいですよ。特に慣れていないうちはおススメです。プレゼンを成功させたい人へ【質疑応答編】の「想定解答は文章化する」節でも触れましたが、文章化することで説明上無駄な部分が明確になるので、質の良い要約ができますよ。
相手の反応を見る
大人数相手の口頭発表では、様々な反応をしている聴講者が発表中に目に入ります。
しかし、話す内容は事前に決めた通りで変えないですよね。
一方、ポスター発表は発表者と聞き手が1対1ですので、相手の反応に合わせて話し方を変えることができます。
例えば、話の切れ目でアイコンタクトしたときに、相手がうなづいたり、相槌を打っていれば、話についてきていると考えてよいでしょう。
一方で、反応がなかったり、険しい表情をしていれば、話を理解していない可能性があります。
その場合は、専門外の人にもわかるような平易な表現で言い直したり、「ここまでで何か分からないことはないですか?」と聞いてみると良いでしょう。
普段の会話でも、相手が「?」といった表情をしていれば丁寧に言い直したり、「理解してる?」と気遣ったりしますよね。
相手の反応を無視して、準備した通りに話をするだけでは”会話”にはならないです。
ポスター発表は会話形式なので同じことをしているだけです。
聞き手にきちんと自分を研究を理解してもらえれば良い議論ができるので、有意義なアドバイスを頂ける可能性も上がりますよ。
逆に自分が聞き手になったときには、相手のプレゼンに対して積極的に反応しましょう。分かったらうなづいたり、分からなかったら「よく理解できなかったです」と正直に言う感じですね。ずっと無反応なのは相手からすると話しにくいのでやめましょう(笑)。
どの部分を説明しているか明確に
通常の口頭発表はスライドを1枚1枚映写しポインターを使いながら説明するので、どこの話を今しているかは明確に分かります。
一方で、ポスター発表はいわば全てのスライドを同時に見せている状況です。
関係ない情報を含めた多くの情報が同時に聞き手の視界に入ってしまいます。
聞き手の混乱を避けるため、発表者はどの部分を説明しているか明確にする必要があります。
例えば、指やペンでポスターを指しながら説明すると、どこの話を今しているのか分かりやすいです。
伸縮する指示棒をわざわざ用意して説明する人もたまに見かけますね(笑)。
また、新しい話題に入ったら「こちらは〇〇の話です。」と1文でタイトルを言うと、何の話を今からするのかが明確になります。
話の切れ目で一度間を置くのも効果的だと思います。
ポスターのレイアウトを工夫することはもちろんですが、話し方でも工夫できることはありますよ。
ポスターは本を読むのと同じ感覚で上から下、右から左の順で説明すると分かりやすいですね。一方で、一番上の部分を説明した後に一番下の部分を説明するなど、聞き手の視線を大きく移動させるように説明してしまうと混乱を招きやすいです。自分が説明するときの姿をイメージしてデータの配置を考えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事をまとめると下図のようになります。
大人数相手の口頭発表の場合、誰かは発表をよく理解し有意義な質問を頂ける可能性が高いです。
一方で、ポスター発表は1人の聴講者しかいません。
その人に研究を理解してもらうためには、その人に合わせた発表が求められるのです。
ポスター発表の難しいところでもありますが、もし面白い研究と思って頂ければ、ポスターならではの深い議論ができるのでメリットとも言えます。
聞き手1人1人に真摯に向き合い、有意義なアドバイスを頂けるように努力しましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
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