こんにちは。sakuranokiiです。
自分は博士課程進学に向いているのだろうか?
博士に興味はあるが周りと同じように就職した方がいいのでは?
大学生の方でこんな悩みを抱えている人はぜひ本記事を読んでほしいです。
筆者自身は博士課程に進学しており、研究室生活の6年間で大学内外の教員、先輩、同期、後輩と数多くの研究者とその卵と接してきました。
そんな中、上記のような悩みについて自分が相談することもあったし、筆者自身が相談に乗ることも多々ありました。実際に博士課程へ進学してよかったと言う人とそうでない人も見てきました。
そのときの経験を軸に、本記事では博士課程進学に向いている人の共通点について私見を述べます。博士課程進学にお悩みの方へ、参考になる記事となれば幸いです。
博士課程進学に向いている人の共通点
本記事での博士課程に向いている人とは、博士課程で充実した生活を送れていると心の底から思える人と定義します。成果を出せる人かどうかはまた別の話ですので。
結論から言うと、博士課程に向いている人の共通点は重要度順に以下の4つです。
それでは順番に解説していきましょう。
スポンサーリンク強い向上心があること
強い向上心があることが充実した博士課程を送る上で最も重要です。
筆者が見てきた中で、楽しそうに博士課程を過ごしている人は例外なく全員が向上心にあふれていました。
なぜ向上心が強い人が博士課程を満喫できるかというと、
博士課程では研究遂行力はもちろんのこと、論文執筆に必要な論理的思考力・英語力、学会でのプレゼンスキル、後輩の指導力など多種多様な能力が自然と鍛えられ、自分の成長を日々を感じられるため、向上心を満たすうえではうってつけの環境だからです。
逆に言えば、論文なんて難しくて絶対に書けない、学会でのプレゼンが億劫で仕方がない、後輩の指導はめんどうとしか思えない、といった考えの方は博士課程に進学しても辛いと思いますのでやめた方がいいです。これらの経験は避けられませんので。
一見して難しいこと、億劫なこと、面倒なことを乗り越えることで人は成長します。向上心のある人はそれを知っているので博士課程を満喫できます。社会に出る前に自分を成長させたい人、自信を持ちたい人は博士課程への進学を強くお勧めします。
好奇心旺盛であること
好奇心旺盛であることが2番目に大事です。
好奇心が重要な理由は言うまでもなく、研究を楽しめる人だからです。
博士課程では実験が生活の中心です。実験は自分の仮説通り進めばとても楽しいものですが、往々にして実験は思った通りに進みません。そんな日々が長く続き辛くなってしまう人をたくさん見てきました。
しかしながら、好奇心が強い人なら、「なぜ仮説通りにならないのか知りたい!」、「予想と違う現象が起こって面白い!」と考えられるので、どんな状況でも実験を楽しむことができます。
また、博士課程からは教員に与えられた研究テーマではなく、自分でテーマ設定する場合が多いです。すなわち、自分の興味がある研究を好きなだけできます。しかも困ったときにはアドバイスをくれる先生もいますし、論文や教科書も図書館で読み放題です。好奇心旺盛な方にとっては最高の環境ではないしょうか?
学生の頃は気づきにくいかもしれませんが、この環境はとても貴重です。会社に入ってからはお客様の要望に応えることが最重要ですので中々こうはいきません。学生のうちの特権を十二分に行使できるのが博士課程です。
スポンサーリンク「自分」をもっていること
博士課程では「自分」をちゃんと持っている人が強いです。実際、筆者の周りの博士は個性的で我の強い人が多いです。
なぜかというと、研究では自分なりの考えを持つことがとても大事だからです。
よく耳にする話ですが、学校の勉強ができる子=優秀な研究者とは限りません。
学校の勉強=他人が用意した課題に対して用意された答えを見つけだすこと、とするならば、研究=自分が用意した課題に対して自分なりの答えを見つけ出すことです。
「自分」を持っていない人が博士課程に進学すると、研究のスタート(テーマ設定)でもゴール(テーマに対する回答)でも非常に苦労します。
筆者の指導教官曰く、『成績が良いに越したことはないけど、それだけで博士課程を進めることはない。もっと重要なことは主体的であることだ。』とのことで、自分を持つことを重要視されています。
筆者自身後輩の指導をするとき、自分の考えを言える学生、主体的に動く学生は博士に向いていると思いますし、実際進学して楽しく過ごしている場合がほとんどです。研究に対する自分なりの思いがある方は、博士課程に進学する資質があると思いますよ。
ポジティブであること
楽しい学生生活を送る上で前向きであることは当然大事ですが、特に博士課程ではポジティブさが強力な武器になります。
博士課程に進学すると、多くの方とは違う20代を歩みます。そのことに博士課程の学生は大なり小なり不安や焦りを覚えます。筆者の周りでも、「20代後半なのにまだ学生だなんて・・・」「婚期が遅れてしまう・・・」「そもそも3年で卒業でできるのだろうか・・・」などとネガティブな話題はよく挙がります。
上記のようなマイナスな考えを持つと、研究に集中できなくなり成果も出にくく負の連鎖を生んでしまいます。
だからこそ、「20代の貴重な時間を自分の成長のために100%使える!」「結婚相手を慎重に吟味する時間がある!」「自分は絶対に良い成果を出して卒業できる!」と前向きになれるポジティブさが、博士課程を楽しく乗り切るには実は重要だと思います。
向上心があり、好奇心旺盛で、「自分」を持っている人でも、ポジティブさを欠いていると思わぬところで躓いてしまうかもしれません。前向きにモノを考えることを意識してみてはいかがでしょうか?
当てはまってるのかわからない人は・・・
ここまで博士課程進学に向いている人の共通点を挙げてきました。
でも実際に自分が当てはまっているのかどうかが明確に分からない、どちらでもないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方々にアドバイスを送ると、迷むぐらいなら進学した方が良いです。
進学するかで迷ったのなら、結局進学しても就職しても大なり小なり後悔が残ります。隣の芝生は青く見えるので。
進学して後悔しても3年我慢すれば学位は貰えるし就職もできます。一方、就職して後悔した場合、博士課程に戻り学位取得後に再就職となると、一度目の就職は時間の無駄になります。
社会人ドクターとして会社に勤めながら学位取得を目指す方法もあります。ですが、社会人ドクターの方と話したことがありますが体力的にかなりきついそうです。よほど強い意志がないと乗り切れないと思います。
また実例ですが、博士課程進学に散々迷った末に進学を決意し、研究に真摯に取り組む中で考え方が変わり、筆者が述べた「向いている人」におのずとなったことで、楽しく博士課程を過ごしている人もいます。
以上の理由から、迷って苦しむくらいなら進学してしまった方が結局楽だと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事のポイントをまとめると下図のようになります。
ここで述べた共通点にばっちり当てはまる方は充実した博士課程を過ごせることをお約束します。ぜひ進学してみてはどうでしょうか?
また、当てはまるかはっきりとわからない、どっちでもないかなという方は、進学するかで悩んで苦しむくらいなら進学した方が結局楽ですよ。
以上、博士課程進学にまつわる悩みを解消する助けになれば幸いです。
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