博士課程への進学率ランキング【学部・専攻別に徹底比較】

博士課程への進学率ランキング【学部・専攻別に徹底比較】一般的話題
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こんにちわ。sakuranokiiです。

博士課程に関心がある方はこんな疑問をお持ちではないでしょうか?

博士課程への進学率ってどれくらいだろう?

学部や専攻によっても違うのかな?

博士課程への進学率と言われても「何となく低いのだろう」ぐらいの印象しかないと思います(笑)。

世間的には博士課程への進学率がどれくらいかはほとんど知られていないでしょう。

本記事では、国の統計情報をもとに博士課程への進学率を学部別・専攻別にまとめました。

本記事を読めば、自分が所属する学部・専攻の博士課程への進学率が分かるので、博士課程に興味がある方が進路を考える上で参考になると思います。

また、自分と同じ進路を歩む人が全国にどれくらい存在するのかは、自分の希少価値を把握する上でも知っておいて損はないですよ。

参考にした情報一覧

文部科学省が調査した令和2年度学校基本調査より下記統計結果を参照

①高等教育機関《報告書掲載集計》卒業後の状況調査_大学院_修士課程の状況別卒業者数

②高等教育機関《報告書掲載集計》卒業後の状況調査_大学_関係学科別状況別卒業者数

③高等教育機関《報告書掲載集計》卒業後の状況調査_大学_関係学科別進学者数

④高等教育機関《報告書掲載集計》学校調査_大学・大学院_専攻分野別大学院入学状況

*e-Stat 政府統計の総合窓口より閲覧可能

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各学部の進学率ランキング

各学部の進学率ランキング

博士課程への進学率が高い学部ってどこなの?

各学部に関して博士課程への進学率を高い順に並べました。

ここで、博士課程への進学率は「修士課程から博士課程への進学率(A)と学士から修士課程への進学率(B)の積」として本記事では定義しました。

つまり、学部卒業者のうち博士課程に進学する学生の割合を計算しました。

また、基準として全学部の平均進学率も算出しています。

学部博士課程への
進学率(A×B)
修士から博士課程への
進学率(A)
学士から修士課程への
進学率(B)
理学6.6%16.4%40.1%
農学2.4%10.6%22.4%
工学2.0%5.8%35.4%
商船学1.6%7.7%20.9%
全学部平均1.0%9.4%10.1%
人文科学0.63%16.3%3.9%
芸術0.45%5.8%7.7%
教育0.39%8.6%4.5%
家政0.25%10.4%2.4%
社会科学0.17%8.2%2.1%
*Aは参考にした資料①記載のデータから計算。Bは資料②、③記載のデータから計算。

最も博士課程への進学率が高いのは理学部です。

約15人に1人が博士課程に進学するようです。

一方で最も博士課程への進学者数が少ないのは社会科学系の学部ですね。

約600人に1人しか博士課程に進学しないようです。

また、全学部を平均した博士課程への進学率は約1.0%です。

つまり、大学生の約100人に1人は博士課程に進学するようですね。

sakuranokii
sakuranokii

全学部の平均値を境にきれいに理系と文系で別れましたね(笑)。イメージ通り理系は博士課程への進学率が高く、文系は進学率が低いようですね。

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各専攻の進学率ランキング

各専攻の進学率ランキング

博士課程への進学率が高い専攻ってどこなの?

学部ごとの平均値よりも各専攻別の進学率の方がより身近な値なので参考になるかと思います。

そこで、各専攻に関しても博士課程への進学率を計算し、高い順に記載しました。

学部専攻博士課程への
進学率(A×B)
修士から博士課程
への進学率(A)
学士から修士課程
への進学率(B)
工学金属工学16.0%16.0%100%
理学物理学12.6%23.7%53.0%
理学化学8.2%14.9%55.2%
理学生物学6.5%15.7%41.3%
工学応用理学6.4%13.0%49.1%
理学地学6.3%16.7%37.7%
理学数学4.6%18.2%25.1%
工学原子力工学4.1%13.2%31.3%
工学応用化学3.9%7.7%49.8%
農学農芸化学3.6%12.7%28.4%
農学林学3.0%10.8%28.0%
農学農学2.7%10.7%25.4%
農学水産学2.4%9.4%25.8%
工学航空工学2.1%11.3%19.0%
工学電気通信工学1.8%5.5%33.8%
工学機械工学1.6%4.0%40.0%
商船商船学1.6%7.7%20.9%
農学農業経済学1.57%20.0%7.9%
工学繊維工学1.56%2.7%56.8%
人文科学史学1.14%22.9%5.0%
工学土木・建築工学1.10%4.7%23.5%
芸術音楽0.98%6.3%15.6%
農学獣医学畜産学0.962%11.5%8.4%
全体平均0.957%9.4%10.4%
農学農業工学0.78%8.3%9.4%
芸術美術0.75%5.3%14.3%
人文科学哲学0.72%7.9%9.1%
工学工芸学0.65%8.3%7.8%
社会科学法学・政治学0.59%13.3%4.4%
教育教育学0.57%13.6%4.2%
工学経営工学0.53%3.2%16.6%
教育体育学0.44%12.9%3.4%
家政食物学0.39%15.1%2.6%
教育教育養成0.38%4.6%8.3%
人文科学文学0.36%17.4%2.1%
社会科学社会学0.21%9.6%2.1%
芸術デザイン0.13%3.5%3.8%
家政児童学0.12%11.1%1.1%
社会科学商学・経済学0.10%7.0%1.5%
家政被服学0.09%6.3%1.5%
*Aは参考にした資料①記載のデータから計算。Bは資料②記載のデータから計算。

金属工学は珍しい専攻で人数が少ないので年によってばらつきが大きそうですが、令和2年度では第1位でした。

2位と3位はともに理学部で、それぞれ物理学と化学がランクインしました。

こちらはイメージ通りですね(笑)。

進学率0%の専攻を抜きにすると最も博士課程への進学者数が少ない専攻は家政学部の被服学でした。

ワースト2位と3位はそれぞれ商学・経済学部と家政学部の児童学がランクインです。

自分の所属する専攻の進学率がどれくらいかチェックしてみてくださいね。

sakuranokii
sakuranokii

理系は学部→修士課程への進学率が修士→博士課程への進学率より高い傾向にある一方で、文系は学部→修士課程への進学率より修士→博士課程への進学率が高い傾向にありますね。文系では修士課程に進学すると博士課程まで進学する方が多いのでしょう。

医学・歯学・薬学部の進学率

医学・歯学・薬学部の進学率ランキング

医学・歯学・薬学部の進学率はなぜ記載がないの?

医学部および歯学部を卒業した方は基本的に研修医になります。

その後、博士号を取得したい方は大学院に復学する流れが一般的です。

上節で使った資料では、研修医を経由せず直接大学院に進学した非常に珍しい方の割合しか分からないので記載しませんでした。

また、薬学部に関しては6年制(薬学科)と4年制(薬科学科)で大学院の仕組みが異なり、6年制学部卒業者は直接博士課程へ、4年制学部卒業者は修士課程へ進学します。

ところが、上節の資料では単に「進学者」としか書かれておらず、薬学部に関しては博士課程への進学者なのか修士課程への進学者なのか不明だったので進学率は計算できませんでした。

ですが、本記事を作成する上で医学・歯学・薬学部の進学率も何とか推測したいという気持ちはありました(笑)。

色々考えたところ、ある学部の「博士課程への入学者数÷学士課程の卒業者数」は概ねその学部の博士課程への進学率と一致するのではないかと考え、この計算式で進学率を概算しました。

幸いなことに博士課程への入学者数は参考にした資料④に明記されていました。

学部博士課程への進学率概算値
医学部40.9%
歯学部34.4%
薬学部5.2%
*参考にした資料②と④記載のデータから計算。

医学部・歯学部は他の学部に比べて桁違いに進学率が高いですね。

薬学部も理学部に次いで進学率は高そうです。

あくまで概算の進学率ですが、一般的に医学博士や歯学博士は人数が多いことを考えると本来の進学率からそこまで外れていないのではないでしょうか?

以上、ご参考までに。

sakuranokii
sakuranokii

上記の算出方法で他の学部の進学率も計算しました。各学部の進学率の序列は本来の値と概ね一致しますが、全体的に本来の値より少し大きく見積もられるようです。社会人ドクターなどの不確定要素が影響しているのかと思われます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると以下のようになります。

本記事のまとめ

大学生の博士課程への進学率の平均値は約1%

令和2年度で博士課程への進学率が最も高い学部は理学部、専攻は工学部金属工学

令和2年度で博士課程への進学率が最も低い学部は社会科学系学部、専攻は家政学部被服学

概算だが、医学部・歯学部の博士課程進学率は桁違いに高い

進学率は進路を考える上で重要な情報ですが、それだけで決めるのは安直だと思います。

実際、進学率は捉え方1つで高くても低くても進学へのモチベーションになります。

例えば、進学率が高いなら、全国に同期がたくさんいるので安心して進学できます。

進学率が低いなら、多くの人が知らない世界を知れるから進学するべきです。

進学率は1つの参考として、自分の心の声にじっくり耳を傾けて進路は決めましょう

以上、ご参考になれば幸いです。

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