こんにちわ。sakuranokiiです。
博士課程に進学した方はこんなことで悩んでいませんか?
英語が苦手で論文を書くのが億劫…
論文でよく使われる英語表現のまとめがあれば便利なのになぁ…
論文を書くのはただでさえ大変なのに、英語が苦手な人にとってはなおさら苦行ですよね。
ですが、論文には特有の文章構造があり、よく使われる言い回しもある程度決まっています。
論文で頻出の英語表現を覚えるだけでも、論文を書くハードルはかなり下がりますよ。
というわけで、本記事の内容は下記です。
本記事の内容
●テーマ
英語が苦手な人向けに博士号を取得した筆者が論文誌筆で汎用的に使える英語表現をまとめて伝える
●主旨
典型的な表現をマスターすることで論文を書く効率を上げてほしい
●読んでほしい人
博士課程に在籍中の方、英語が苦手な大学院生
論文特有の文章構成とは?
汎用的英語フレーズを伝える前に、まずは論文の文章構成から説明します。
論文特有の文章構成を知っておかないと、いくら英語ができても論文として成立しませんからね。
また、論文の英文構成を知ることは読む上でも役に立つのでメリット大です。
下記に筆者の知る論文に特徴的な文章構成をまとめました。
論文特有の文章構成
○タイトルにNewは使わない
新しいのは当たり前。使ってもNobel(新奇)ぐらい。
○背景→実験結果と考察→結論が論文の基本的流れ
Full Paperなら丁寧にIntroductionやConclusionなどと段落頭に記載する
○背景は課題提案→先行研究→自分のアプローチの順
何が課題なのか?その課題を解決するメリットは?自分の解決方法の独自性は?という問いに答えるように書く
○実験結果は1つ1つの結果に意味をもたせるべし
比較級や対比表現を使う(先行研究と比較できるとなお良し)
ちなみに実験結果は全て過去形で書く必要あり
○考察で書くのは感想ではなく論理的な意見や予想
感想ではないのでthinkやbelieveは使わない
どの結果がどういった理由でどんな考察に繋がるかの因果関係を分かるように書く
○結論は要旨+考察+今後の展望
結論は論文内容全体を振り返りつつ各実験から導かれた重要な発見を再度強調することに加え、今後の課題を伝えると良い
○無生物主語が基本
IやYouは使わない。WeやOur groupで代用
◯逆接の接続詞のあとは重要な部分
Howeverのあとは重要な主張を書くことが多い
◯mayを含む文章から著者が伝えたい考えが分かる
mayやmightなどの助動詞は不確実性の高い文章になるため論文ではあまり使わない
不確実性の高い助動詞を使ってでも言いたいことは著者がどうしても伝えたい考え
○1文で言いたいことは1つ
論文は読みやすさが重要なのでシンプルな英文を意識
○長い化合物名や装置名には略号を付与する
正式名称でも長い名前を何度も書くと読みにくい
1aなどの英数字や各単語の頭文字を略称として使う
◯能動態が基本
受動態はできれば避けたほうが英語らしい文章
◯同じ表現や単語を何度も使うのは好ましくない
同じ意味でも様々な表現な使った方が英語らしい文章
○英語は動詞が重要な言語
状況に応じて適切な動詞を使い分けることが重要
be動詞よりも一般動詞を使ったほうが英語らしい文章
論文には一言一句無駄な文言を入れてはいけません。
過不足なく明瞭に研究内容を伝えるスキルが必要です。
なので、最初のうちはいきなり英語で書き始めるより日本語で完璧な文章を作ってから執筆したほうがスムーズですよ
sakuranokii
初めて書いた論文を教員の先生に添削してもらったら、大部分が修正されて返却されるのは博士課程なら誰もが通る道です(笑)。修正された点は素直に反省しましょう。最初の1報目を書き終えたら2報目以降はかなり楽になりますので頑張ってください。
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論文で頻出の英語表現
文章構成のイメージは分かったけど、具体的にどんな英語表現を使うべきなの?
それでは、上記の文章構成を目指す上で便利な英語表現をご紹介します。
筆者が実際に論文執筆に使った表現を中心にまとめました。
できるだけ広い学問分野の論文で使える表現を集めましたので、是非参考にしてください!
背景でよく使う英語表現
課題を伝えるとき
・〇〇は〇〇に関する重要な研究課題の1つです
「〇〇 is one of the important research topic for 〇〇」
・〇〇は〇〇において非常に注目されている
「〇〇 have attracted much attention in 〇〇」
・〇〇は〇〇の観点で非常に望まれている
「〇〇 is highly desired in terms of 〇〇」
・〇〇は〇〇する上で重要な戦略である
「〇〇 is a significant strategy to 〇〇」
・〇〇は〇〇するのに必要不可欠な手法である
「〇〇 is an essential method to 〇〇」
・〇〇は〇〇に主に依存している
「〇〇 mainly depend on 〇〇」
・〇〇は〇〇に比べてあまり研究されてこなかった
「〇〇 have been less explored in comparison with 〇〇」
・〇〇は未だに難題です
「〇〇 remain a challenging issue」
・〇〇は〇〇に制限されていた
「〇〇 have been limited to 〇〇」
・〇〇は十分に発展していない
「〇〇 have been insufficiently developed」
・〇〇は〇〇が原因でほとんど調査されていない
「〇〇 have been seldom investigated due to 〇〇」
・〇〇の手法確立は〇〇において重要な難題です
「The establishment of a strategy for 〇〇 is an important challenge in 〇〇.」
先行研究を伝えるとき
・〇〇(人名)は〇〇を報告してきた
「〇〇(人名) have reported that 〇〇(S +V)」
・最近、〇〇(人名)は〇〇を開発している
「Recently, 〇〇(人名) have developed 〇〇」
・〇〇が研究されてきた
「〇〇 have been studied」
・〇〇は確立されてきた
「〇〇 have been established」
・〇〇は〇〇に利用されてきた
「〇〇 have been utilized to 〇〇」
・先行論文では〇〇が報告されている
「Previous reports have described 〇〇」
・〇〇は〇〇の代表例として知られている
「〇〇 are known as representive examples for 〇〇」
・〇〇の先進的な例として、
「As a pioneering example for 〇〇,」
・これらの報告では、
「In these reports,」
・多くの優れた手法が文献中で手に入る
「Many well-established methods are available in the literature」
・〇〇は〇〇として主要な役割を果たしている
「〇〇 play a pivotal role as 〇〇」
・〇〇は疑いようなく〇〇の優れた方法である
「〇〇 is undoubtedly a powerful strategy for 〇〇」
・〇〇に関する報告は存在しない
「There is no report of 〇〇」
自分のアプローチを伝えるとき
・こういった背景の中で、
「In this context,」「In this background,」
・我々は最近〇〇を開発した
「We recently developed 〇〇」
・また、我々の研究室でも〇〇を報告してきた
「Our group has also reported 〇〇」
・〇〇は以前報告された〇〇とは全く異なる
「〇〇 is striking defferent with previously reported 〇〇」
・〇〇という戦略に基づいて
「Based on the strategy of 〇〇,」
・〇〇は〇〇の初例である
「〇〇 is the first example of 〇〇」
・本論文で我々は〇〇を報告する
「Herein, we report that 〇〇(S+V)」
実験結果の説明でよく使う英語表現
冒頭の一文に使える表現
・〇〇を調査した
「investigated 〇〇」「examined 〇〇」「surveyed 〇〇」
・〇〇に利用した
「was used to 〇〇」「was applied to 〇〇」
・〇〇についての知見を得るために、
「To gain insight into 〇〇,」
・〇〇を確かめるために、
「In order to clarify 〇〇,」「To verify 〇〇,」
図を使って説明したいとき
・〇〇を図1に示す
「〇〇 is shown in the Figure 1」
・表1に〇〇をまとめた
「〇〇 was summarized in Table 1」
・式1に示すように、
「As shown in Scheme 1,」
どんな実験・作業をしたか伝えるとき
・〇〇を実行した
「carried out 〇〇」「conducted 〇〇」「performed 〇〇」
・〇〇(主に上手くいかなかった実験)を試みた
「tried to 〇〇」「〇〇 was attempted」
・〇〇を〇〇で処理した
「〇〇 was treated with 〇〇」
・〇〇を〇〇という条件に伏す
「〇〇 was subjected into 〇〇」
・実験条件の表現
〇〇の存在下→「in the presence of 〇〇」
〇〇℃で→「at 〇〇 ℃」
同じ条件で→「under the same conditions」
どんな分析をしたか伝えるとき
・〇〇を分析した
「analyzed 〇〇」
・〇〇で〇〇を評価する
「〇〇 was evaluated via 〇〇」
・〇〇を観察した
「monitored 〇〇」「observed 〇〇」
・〇〇を同定した
「identified 〇〇」「 characterized 〇〇」
・〇〇を確かめた
「confirmed 〇〇」
・〇〇を決定した
「determined 〇〇」
・〇〇(性質)を示した
「exhibited 〇〇(性質)」
どんな結果が得られたか伝えるとき
・〇〇を与えた
「gave 〇〇」「afforded 〇〇」「provided 〇〇」「yielded 〇〇」「furnished 〇〇」
・〇〇が得られた
「〇〇 was obtained」「〇〇 was produced」
・〇〇から〇〇を入手する
「access 〇〇 from 〇〇」
・〇〇を形成した
「formed 〇〇」「constructed 〇〇」
・〇〇が起こった
「〇〇 occurred」「〇〇 took place」「〇〇 underwent」
・〇〇が発生した
「〇〇 was generated」
・〇〇により〇〇がAからBに変化した
「〇〇 was changed from A to B by 〇〇」「〇〇 transformed 〇〇 from A to B」
実験が上手く行ったかどうか伝えるとき
・〇〇が上手く行く
「〇〇 worked (well)」
・〇〇が〇〇を促進した
「〇〇 promoted 〇〇」「〇〇 accelerated 〇〇」
・〇〇がスムーズに進行した
「〇〇 proceeded smoothly」
・〇〇は〇〇として機能した
「〇〇 was acted as 〇〇」
・〇〇は高い活性を示した
「〇〇 showed high activity」
・〇〇は〇〇に利用可能である
「〇〇 can be employed to」「〇〇 was applicable to 〇〇」
・〇〇は満足のいくものであった
「〇〇 was satisfactory」
・喜ばしいことに、〇〇は〇〇に耐性があった
「Gratifyingly, 〇〇 tolerated 〇〇」
・〇〇は有効ではなかった
「〇〇 were ineffective」
・〇〇は不適切であった
「〇〇 were unsuitable」
・〇〇は〇〇を阻害した
「〇〇 disturbed 〇〇」
・〇〇は〇〇(悪い結果)に終わった
「〇〇 resulted in 〇〇(悪い結果)」
知ってると便利な表現
・入手容易な
「readily available」
・購入可能な
「commercially available」
・様々な〇〇
「various types of 〇〇」「A variety of 〇〇」
・程度の大きさを表す語彙
ごくわずかに→「a little bit」「minutely」
少し、わずかに→「slightly」
かなり、明らかに→「appericiably」「unambiguously」
考察でよく使う英語表現
文頭で使える表現
・我々は〇〇と考察した
「We considered that 〇〇(S+V)」
・我々は〇〇と推定した
「We assumed that 〇〇(S+V)」
・〇〇が示唆された
「It is suggested that 〇〇」
・この結果は〇〇を示唆した
「This result suggested that 〇〇(S+V)」「The effect indicated that 〇〇(S+V)」
・それは〇〇の可能性を支持した
「It supported the possibility of 〇〇」
・〇〇を考慮すると、
「Taking into account 〇〇,」
・〇〇は考えられ得る
「〇〇 shoud be considered」
・おそらく〇〇だろう
「would 〇〇(動詞)」
・〇〇は起こり得ないように思える
「〇〇 seemed unlikely to occur」
・〇〇は〇〇と表現できる
「〇〇 can be represented as 〇〇」
因果関係を考察するとき
・〇〇は〇〇に起因する
「〇〇 is ascribed to 〇〇」
・それは〇〇という結果につながり得る
「It can lead to 〇〇」
・〇〇は〇〇を引き起こす
「〇〇 induce 〇〇」「〇〇 cause 〇〇」
・〇〇は(Aに)〇〇を可能にする
「〇〇 enable 〇〇」「〇〇 allow A to 〇〇」
影響を考察するとき
・〇〇に関するこの違いは〇〇に起因する
「This difference in 〇〇 originates from 〇〇」
・〇〇は〇〇にあまり影響されない
「〇〇 is less affected by 〇〇」
・〇〇は〇〇に重大な影響がある
「〇〇 have a significant effect on 〇〇」
・〇〇は〇〇に重大な影響を与える
「〇〇 impart a significant amount of influence to 〇〇」
・AのBへの影響をCと比較した
「The influence of A on B was compared with C」
・〇〇は〇〇と異なる
「〇〇 is different from 〇〇」「〇〇 differ from 〇〇」
差異・分類を考察するとき
・〇〇は〇〇と一致する
「〇〇 agree with 〇〇」「〇〇 is consistent with 〇〇」
・〇〇は〇〇の場合と同じである
「〇〇 is similar to the case of 〇〇」
・〇〇はA種類のBに分類できる
「〇〇 can be distinguished by A types of B」
・〇〇はAとBから成る
「〇〇 is composed of A and B」
結論でよく使う英語表現
文頭で使える表現
・我々は〇〇を明らかにした
「We revealed that 〇〇(S+V)」
・我々は〇〇を確立した
「We established 〇〇」
・我々は〇〇を証明することに成功した
「We successfully demonstrated that 〇〇」
・本論文は〇〇について記述し〇〇を明瞭にした
「This paper describes 〇〇 and elucidates 〇〇」
・〇〇は〇〇を明確に示した
「〇〇 clearly showed that 〇〇(S+V)」
・〇〇を発見した
「we found that 〇〇(S+V)」「It is found that 〇〇(S+V)」
・最も重要な知見は、
「To the best of our knowledge,」
・〇〇は〇〇という知見を与えてくれた
「〇〇 gave a knowledge that 〇〇(S+V)」
長所を伝えるとき
・本研究の利点は〇〇
「It is advantage of this work that 〇〇(S+V)」
・特筆すべきことは〇〇
「It is noted that 〇〇(S+V)」
・〇〇が〇〇において重要な点であった
「〇〇 was a crucial point in 〇〇」
・〇〇は〇〇を達成する上で重要な役割を果たした
「〇〇 played an important role to accomplish 〇〇」
・我々は〇〇とそれの〇〇への利用を達成した
「We achived 〇〇 and its application to 〇〇」
新規性を伝えるとき
・本研究は〇〇の新手法を与えた
「This work provided a novel method for 〇〇」
・得られた知見から〇〇をする前例のない手法が得られた
「The obtained knowledge provided an unprecedented strategy to 〇〇」
・本研究の新奇な〇〇は〇〇に貢献した
「The unprecedented 〇〇 of the present research contributed to 〇〇」
今後の課題を伝えるとき
・〇〇は当研究室で現在進行中である
「〇〇 is now in progress in our laboratory」
・将来的に〇〇を検討予定である
「We will investigate 〇〇 in the future」
よく使う接続詞・接続句
よく使う接続詞・接続句
◇順接
・したがって→「Therefore,」「Thus,」
・つまり→「In other words,」
◇逆接
・しかしながら→「However,」「A, but B」
・〇〇だけれども(主に悪い情報を伝えるときに使用)→although 〇〇
◇対比
・一方で→「On the other hand,」「A, while B」
・〇〇にも関わらず→「despite 〇〇」「in spite of 〇〇」
・〇〇とは対象的に→「in contrast to 〇〇」「By contrast,」「Contrastively,」
◇付加
・さらに→「Moreover,」「Furthermore,」
◇理由説明
・なぜなら〇〇だから→「because 〇〇(S+V)」
・〇〇のために→「in order to 〇〇」「because of 〇〇」
・〇〇のせいで→「due to 〇〇」
・〇〇によると→「according to 〇〇」
◇補足
・実は→「Actually,」
・一般的に→「Generally,」
・概して→「On the whole,」
◇注目
・特に〇〇→「particularly for 〇〇」「Especially,」
・〇〇に限り→「As far as 〇〇」
◇列挙
・最初に→「At first,」
・次に→「Next,」
・最終的に→「Finally,」
その他よく使う語彙集
その他よく使う語彙集
・AだけでなくBも
「A as well as B(Aの方が重要な情報)」「not only A, but also B (Bの方が重要な情報)」
・AとBの両方とも
「both of A and B」
・AかBのどちらか一方
「either A or B」
・AでもBでもない
「neither A nor B」
・AとBはそれぞれCとDを与えた
「A and B gave C and D, respectively」
・Aに続きBを
「A, followed by B」
・AとBの間で
「between A and B」
・ある場合について説明するとき
これらの場合では→「In these cases,」
〇〇の場合では→「in the case that 〇〇(S+V)」「in the case of 〇〇(名詞句)」
・〇〇の代わりに
「instead of 〇〇」
・例えば〇〇といったA
「A such as 〇〇」
上記に加えて、自分の専門分野でよく使われる英語表現の一覧も作ると便利かと思います。
汎用的なフレーズをマスターすれば、論文を書くスピードは格段に上がりますよ。
sakuranokii
論文は雑誌ごとに執筆に関してのルール(使用するフォーマットから文字のフォントや行間まで多種多様)が厳密に決まっています。論文を投稿する際には厚いルールブックを熟読する必要があり地味に大変でしたね(笑)。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると下記のとおりです。
本記事の内容まとめ
●いきなり書かずにまずは論文特有の文章構成を理解する
●汎用的な英語表現を学び、論文執筆スピードを上げよう
実際に書いてみるのが1番効果のある論文執筆の練習です。
本記事の内容を参考にしながら早速論文を書いてみましょう。
最初の1報目の執筆が1番大変ですが、これを乗り越えると貴方の英語力は格段に向上すると思います。
英語もできる博士課程の学生になるためにも、本記事を参考にしてまずは1報の論文を頑張って仕上げましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
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