こんにちわ。sakuranokiiです。
数日前に某SNSで下記質問が話題になりました。
博士課程を生き抜くために必要なものって何だろう?
“博士課程を生き抜く”というと大げさに聞こえますが、つまりは、「博士課程を修了するために必要なものは何か?」という話題です。
現役の博士課程はもちろん博士課程に興味がある大学生にとっても、博士課程を修了できるかは一番の心配事でしょう。
博士課程を生き抜く秘訣はその悩みを解決する糸口になると思います。
そこで、筆者なりに博士課程を生き抜くために必要なものを当時の経験を振り返りながら改めて考えてみました。
というわけで、本記事の内容は下記です。
研究が好きという気持ち
博士課程を生き抜くために一番必要なものって何?
まずは、博士課程を生き抜けない人に多いのはどんな人か考えてみました。
博士課程を道半ばでリタイアする人は厳しい研究の世界が肌に合わなかった人が多いのではないでしょうか?
研究の世界は思ったようにうまくいかないことが日常です。
研究が好きでない人にとってはそれこそ地獄のような毎日が続くことになるでしょう。
ですので、博士課程を生き抜くために最も必要なものは「研究が好きという気持ち」だと筆者は思います。
厳しい研究の世界を乗り切るためにはやはり研究が楽しくて仕方がないという気持ちが重要です。
筆者自身、実験が思うように進まなかったり、デスクワークに追われている時期など辛いときは何度もありましたが、何だかんだ言っても研究が面白かったので乗り越えられました。
研究の面白さは色々あると思いますが、「まだ世界の誰も知らない現象を見つけるというロマン」「自分のアイデアで難題を解決するというゲーム性」が筆者の思う研究の魅力です。
上記に共感する人は研究にのめり込めると思うので、博士課程を生き抜く素養があると思いますよ。
研究を好きになるためには主体的に研究に取り組むことが肝要です。教員に言われたことをやるだけの研究は面白くなくて当然です。自分の頭で考えて課題を解決する研究はゲームのようで楽しいですよ。具体的な方法は過去記事「研究室でのストレスを解消する方法」をご参照ください。
辛いときに相談できる仲間
いくら研究が好きでも失敗続きだと博士課程をやめたくなるのでは?
いくら研究が好きでも何か月も何年も失敗続きだと普通の人はさすがに心が折れますよね。
博士課程に進学したばかりはまだ研究遂行力が十分に鍛えられていないので、長期間失敗続きの境遇になる人は結構いるのではないでしょうか?
そんなときに支えになるのは相談できる仲間の存在で、博士課程を生き抜く上で必要なものの1つだと思います。
筆者もそうでしたが、長い間失敗続きの学生はデータが出ない状況に焦ってしまい、何とか結果を出そうと1人でふさぎ込んで実験してしまいがちです。
それで運よく事態が好転すればいいのですが、上手くいかないと段々と心が病んでしまいますよ(実際筆者は少し病みました笑)。
過去記事「研究・実験が進まないときに読む記事」でも書きましたが、研究が長期間上手くいかないときは1人にならず、人と話すことを意識しましょう。
指導教員や研究室の先輩と毎日議論して何か突破口を見つけるも良し。
同じ境遇の同期や後輩に愚痴を聞いてもらってストレス解消するのも良し。
家族や恋人、友人と研究と全く関係のない話をしてリフレッシュするのも良しです。
筆者の経験上、上手くいかない時期は1人でジタバタしても逆効果です。
難題であるほど他人との関わり合いを通じてこそ解決できるものですよ。
博士課程を生き抜くためには辛いときに相談できる仲間を作っておきましょう。
同様に仲間が困っているときは積極的に助けましょう。見返りのためにやるわけではありませんが、普段から他人に親切にしている人は、自分が辛いときに相談できる仲間が自然とできるものですよ。
ポジティブ思考
博士課程をやめたくなる要因は他にもあるのでは?
上記は主に研究関係で辛い時期を乗り越えるために必要なものです。
では、研究以外の理由で博士課程を辞めたくなる辛い状況もあるか考えてみました。
例えば、研究室内の気が合わない人と衝突してしまい心身を病むとか。
例えば、研究以外の雑務が多すぎて好きな研究ができず辛いとか。
例えば、周りの優秀な同期や後輩の姿を見て自分は博士課程に向いていないと落ち込むとか。
他にも色々あるかもしれませんが、解決策は1つしかありません。
それは「ポジティブ思考」で、博士課程を生き抜くために必要な最後の砦だと思います。
前向きに考えると、研究室内で気が合わない人よりも、気が合う仲間を大切にした方が楽しく研究室生活を過ごせることに気づきます。また、気が合わない人にも良いところはあると気づけるかもしれません。
前向きに考えると、研究以外の雑務も社会勉強になるし、どうしても雑務が多いなら周りに協力してもらったら良いだけの話と気づきます。
前向きに考えると、周りに優秀な人がいるなら、その人の知恵や経験を教えてもらえば効率よく成長できると気づきます。
ポジティブ思考を持つメリットは「物事の良い面に気づきやすくなる」ことです。
物事の悪い面ばかりを人間はついつい見がちですが、それが行き過ぎると病んでしまいます。
筆者の経験上、博士課程の3年間は思った以上に長く、研究だけをしているわけでもないので様々な人生初体験を積むことになるでしょう。
そんなときに、一歩引いて物事の良い面を探すポジティブ思考を身に付ければ、博士課程を生き抜く上で強力な武器になりますよ。
ポジティブ思考は博士課程だけでなくその後の人生においても有用です。社会人になると関わる人の数が圧倒的に増えるので、理不尽な目にあわされるときもあるでしょう(笑)。そんなときは負の感情に支配されても良いことはないので、ポジティブ思考で乗り切りましょう。
博士課程は”生き抜く”ものか?
博士課程って”生き抜かないといけない”ほど厳しい環境なの?
冒頭でも述べましたが、”博士課程を生き抜く”というのは大げさです(笑)。
もちろん大変な時期もありますが、博士課程を生きるか死ぬかのサドンデスとまで捉えてしまうと、それだけで博士課程に進学するのが億劫になりますよね。
ですので、本記事では「博士課程は生き抜くものではなく、楽しむもの」と強調したいです。
「辛いことを耐え忍んで博士になる」という心構えではなく、「好きな研究を思う存分楽しんで博士になる」という考え方で博士課程は過ごしてほしいです。
企業研究職になってから痛感しますが、博士課程の頃は本当に自由でした。
自由に好きな研究ができていたあの頃は幸せでしたね(思い出補正もあるかもしれませんが笑)。
将来企業に就職するのであれば、自分の好奇心の赴くままに実験ができるのは博士課程が最後です。
やりたいことは全てやって、博士課程の3年間を心残りなく過ごしてほしいですね。
後悔しない博士課程にするために「研究が好きという気持ち」「辛いときに相談できる仲間」「ポジティブ思考」の3つは必要だと思いますよ。
企業の研究は自由度は低いですが、企業のリソースを使い大きな仕事ができるのでやりがいは十二分にあります。大学と企業の研究の違いについて興味がある方は過去記事「研究職を目指す人必見!現役が答える研究職に関するQ&A集」が参考になると思いますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると下記のとおりです。
「研究が好きという気持ち」「辛いときに相談できる仲間」「ポジティブ思考」の3つは自分次第で誰でも手に入れることができます。
博士課程に生きづらさを感じている現役ドクターの方、博士課程で上手くやっていく自信がないマスターの方はぜひ上記3つを手に入れるところから始めてみてください。
3つとも手に入れば、充実した博士課程生活が送れることをお約束します。
以上、ご参考になれば幸いです。
コメント