Q:研究職とは何?
A:ある物事について深く考えたり調べたりして明らかにする仕事です。
Q:研究職にはどんな種類がある?
A:基礎研究と応用研究の2種類に大きく分かれます。開発研究という種類もありますが、やってることは応用研究の範囲内に収まるかと思います。応用研究を担うなら開発研究にも携わるイメージですね。
Q:研究職と技術職の違いは?
A:技術職は製品を作る機械などの生産設備を運用・管理することが仕事です。研究職よりも一層商品化に近い立ち位置にいる職種です。
Q:研究職の仕事内容は?
A:研究職の種類ごとに変わります。基礎研究なら純粋に学問の発展を目的に新技術や新理論の確立を行うこと(0から1を作ること)が仕事です。一方で、応用研究は基礎研究で得られた知見を世の中の役に立つ形にして実用化すること(1から10を作ること)が仕事です。いずれも科学技術の発展に貢献できるやりがいのある仕事だと思いますよ。
Q:大学研究職の仕事内容は?
A:大学研究職、つまり、大学教員は間違いなく基礎研究に従事します。研究に加えて学生の教育も大事な仕事である点が特徴ですね。自分の手を動かすよりはアイデアを考える仕事がメインです。
Q:企業研究職の仕事内容は?
A:企業研究職は配属された部署が事業化されているかどうかで仕事内容は大きく変わります。まだ事業化されていない部署であれば、自社の強みを活かせる事業を考案し立ち上げることからスタートします。応用研究がメインですが応用を視野に入れた基礎研究も行うことが特徴ですね。一方で、事業化されている部署ではすでに顧客がいるので、顧客要求を第一に考えて研究を進めることが特徴です。スピードが重要なのですぐに実用化可能な応用研究しか基本的に行わないですね。工場を始めとした関係各所と協力して量産化を素早く行う点も特徴です。
Q:大学と企業の研究の違いって何?
A:大学の研究は学問の発展、企業の研究は会社の発展=黒字と最終目標が違います。目標の違いに起因して仕事内容にいくつか大きく違う箇所がありますが、詳しくは過去記事「大学と企業の研究の大きな違いとは?」をご覧ください。
Q:企業では学生の頃と分野違いの仕事をすることもある?
A:あります。大まかな分野は一緒になりますが、細かい専門分野まで完全に一致することは基本的にないでしょう。入社して5年以上も経てばで部署異動により研究職以外の仕事を任されることも普通にありますよ。
Q:企業は安全に厳しいって本当?
A:本当です。事業の安定継続のためには安全な職場づくりが基本中の基本ですので、企業は安全を第一に考える組織です。具体的にどんなことをしているのかは過去記事「大学と企業の研究の違い~安全衛生活動編~」をご覧ください。
Q:企業研究職にノルマってある?
A:筆者は聞いたことがありません。筆者の部署では年間目標として「この研究テーマとこの研究テーマに従事し改良商品を作る」などは年度始めに上司と相談して設定します。また、もし年間〇〇件以上の材料が採用されたら人事評価が上がるという仕組みは一応ありますがノルマではないですね。自主的にやるべきことを考えて仕事を進めています。
Q:企業研究職も納期に追われる?
A:残念ながら追われます(笑)。特に事業化されている部署では顧客に提出するサンプルを出荷日までに用意する必要があるので日々納期に追われます。事業化されていない部署でも期限を決めて研究を進めるので納期はあります。企業ではスケジュール管理が大切ですね。仕事を引き受ける際はその納期が余裕をもって達成できるかは必ず確認するべきです。
Q:企業研究職の労働時間ってどれくらい?残業はする?
A:月約180~190時間(1日7時間50分×20営業日+残業20~30時間)が多いですね。残業時間は長い職種だと思います。ただ夜遅くまで残業する人は強制されているのではなく自分がやりたい研究をするために残っている場合が多いですね。
Q:企業研究職は休日出勤もする?
A:どうしても納期に間に合わない場合は休日出勤します。ただし、年1回程度で滅多にありません。基本的に休日出勤しなくて良いように仕事の割り振りを決めるので、不測の事態が重なるなどのトラブルが起こらない限り休日出勤することはないですね。
Q:企業研究職はどんな1日を過ごす?
A:毎日実験ばかりするイメージがあるかと思いますが、実際のところはデスクワークや会議などに使う時間が半分を占めます。詳しくは過去記事「現役研究職の1週間をご紹介」をご覧ください。
Q:企業研究職もテレワークする?
A:担当する研究テーマによります。PCを使った仕事がメインの研究職(性能評価や材料解析など)ならリモートワークもします。一方で、社内でないと仕事ができない研究職(材料合成など)は在宅勤務はできないですね。
Q:企業研究職はフレックス制?
A:フレックスであるかどうかは職種ではなく企業の方針によると思います。企業の募集要項を確認しましょう。ただ、フレックス制が名目だけになっている企業もあると聞きますので、OBOGに聞くのが一番良いですね。ちなみに筆者の企業はフレックス制が正常に機能しており自由に来て自由に帰ってますね。
Q:企業研究職に必要なスキルや能力って何?
A:「コミュニケーション能力」と「主体性」が大事です。また、スキルや能力とは少し違うかもしれませんが「誠実さ」も重要です。頭が良いだけでは研究職は務まりませんね。詳しくは過去記事「企業の研究職に求められる能力とは?」をご覧ください。
Q:企業研究職に必要な資格はある?
A:特にないですが、基本的に修士もしくは博士の学位がないと研究職には配属されないです。ちなみに、筆者のような化学メーカー研究職は危険物取扱者の資格を入社後に全員取りますね。このように業種ごとに業務上必要な資格はあると思います。
Q:企業研究職に英語力はどれくらい必要?
A:研究職のTOEIC L&Rの平均スコアは約560点ですので、TOEICで560点以上取れる英語力があれば十分です。業務上英語が必要な場面は部署によって変わりますが、大体の部署は論文を読むぐらいしか英語は使わないですね。詳しくは過去記事「研究職に英語力はどれほど必要か?」をご覧ください。
Q:企業研究職は業務でプログラミングもする?
A:最近はDXが流行っているためか筆者の会社では社員にプログラミングを学んでもらう機会を設けていますね。特に筆者の部署はMI(Materials Informatics)の活用が進んでおり、データサイエンスの存在感はかなり大きくなっています。ただ、実際に業務でプログラミングを使う人は情報系研究職ぐらいかと思います。よって、入社前からプログラミングの勉強を頑張ってする必要はないですが、企業がDXに向けてどんな取り組みをしているのかは知っておいて損はないので調べてみても良いと思います。
Q:企業研究職も品質管理業務はする?
A:品質管理担当の研究職もいます。筆者の部署では新入社員がすぐに品質管理を任されることはなく、ある程度経験を積んだ方が抜擢されていますね。
Q:企業研究職は論文を書くこともある?
A:基本的にないです。研究の成果は論文ではなく特許で発表して、その発明の独占権を得て事業継続を図るのが企業のやり方です。
Q:企業研究職あるあるって何?
A:大学とは違って大人数で1つの研究テーマを進めるので、関係各所とのやり取りの多さに最初は戸惑うことがあるあるかと思います。
Q:企業研究職ってどんなPC使ってるの?
A:会社から支給されるノートPCを使っています。ディスプレイを別途購入して2画面で仕事をする方が多いです。データサイエンス担当の人は支給されるPCとは別にもっとハイスペックなPCを購入していますね。
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