大学院生必見!大学と企業の研究の大きな違いとは?

大学院生必見!大学と企業の研究の大きな違いとは?企業での研究
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こんにちわ。sakuranokiiです。

理系研究室の学生で将来は研究職に就きたいと考えている人はこの話題に興味があるのではないでしょうか?

大学で行う研究と企業で行う研究ってどう違うのだろう・・・

大学生のうちから身に着けるべきスキルはあるのかな・・・

筆者も大学と企業の研究の違いに興味があり、同窓会のたびにOB,OGの皆さんに色々教えていただきました。

無事化学メーカーの研究職に就くことができ、まだ数年しか経過していませんが、筆者なりに大学と企業でここが違うと強く感じたことがいくつかあります

本記事では、現役企業研究者の筆者が大学と企業の研究の違いについてご紹介いたします。

*注:筆者は1企業1部署しか経験していませんので、誰でも当てはまる違いではないかもしれません。ご参考までに見ていってください。

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1つのテーマに大人数

1つのテーマに大人数

大学での研究は1つのテーマを1人の学生が担当することがほとんどかと思います。多くても2、3人でしょう。

一方で、企業で行う研究は自分が担当するテーマに大人数が携わります。

筆者の場合、自分+上司で材料を作った後、性能を評価する人、精密な分析をする人、大量合成する工場の人、大量合成前に安全性試験する人、原料購買を担当する人、品質を管理する人、顧客に売り込む人と、目に見えるだけでもたくさんの人にお世話になります。

1人で黙々と実験していた学生のころとは大違いですね。

大人数が携わる都合上、適切な人に協力を仰ぎ、適切に人を動かしていくコミュニケーション能力が必要不可欠です。

人を動かすことに慣れないと、思ったように人が動いてくれず自分が人に振り回されることになるので結構つらいですよ(実体験)。

また、期限を守らない、作る材料をうっかり間違える等、学生の頃は自分が困るだけでしたが、企業では個人の過失は全体に影響します。

自分の実験結果にかかる責任の重大さは企業ならではだと思います。

sakuranokii
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企業の採用担当者が学生にコミュニケーション能力を求める理由が会社に入るとよくわかりました(笑)。コミュニケーション能力は一朝一夕では身につかないので、日々の研究室生活で人に物事を伝えるときに相手基準で考える等、鍛え続けることをお勧めします。

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安定に大量供給可能か?

安定に大量供給可能か?

大学では面白い機能をもつ分子や材料を作りさえすれば論文になるのでOKでしたが、企業はそれだけではいけません。

いくら性能が良くても大量に安定供給可能な材料でないと顧客に紹介はできません

例えば、特殊な材料や実験装置、危険もしくは環境に悪い物質が必要な場合はNGになるでしょう(よほど大きい利益が見込める場合はその限りではないかもしれませんが)。

ですので、研究の段階から使う原料の安全性・安定供給性や材料の製法簡易化は意識します。

研究でやるような小スケールでは上記はついつい甘く見がちですが、「この材料今のままで大量生産できるか?」と想像を膨らませることが大事です。

いくら頑張って作っても世の中に出せないのでは意味がないですからね。

sakuranokii
sakuranokii

企業がそうだからと言って、学生の頃から原料の安定供給性や製法にこだわって研究を進める必要はないと思います。自分の好きなことを何でも試せるのが大学での研究のいいところです。学生研究者のうちにやりたい研究はやっておきましょう(笑)。

黒字の大切さ

黒字の大切さ

企業で売る材料は当然利益を産まないといけません。

上記の安定供給性の話と似ていますが、いくら性能が良くても赤字になるならNGです。

例えば、性能良好・安定供給可能でも原価が非常に高く採算が合わないならpendingになるでしょう。

したがって、使う原料の値段は研究スタート時点から意識します。

また、製法が複雑で工程数が多いと大量合成時に装置代や人件費がかさみますので、製法簡易化はコスト的にも重要です。

さらに、性能が良かった材料でも、「もっと安い原料で代替できないか?」、「簡単に作る方法がないか?」と自問し、安く作れるように工夫し続けることも大切です。

顧客としては性能が良いものをできるだけ安く手に入れたいので、既存材料の安価化はシェアを広げ利益を伸ばす上で重要な研究対象です。

sakuranokii
sakuranokii

安全性、安定供給性、利益率と、大学とは違って色々な制約があるのが企業での研究です。大学との違いに初めはストレスに感じる部分も多いかもしれませんが、自分の開発した材料が大量に作られたときは嬉しいと思いますよ(筆者はあともう少しです)。

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教育は二の次

教育は二の次

研究に限った話ではないですが、最後に企業の教育姿勢について私見を述べさせていただきます。

大学は研究・教育機関ですが、会社は営利組織です。教育は目的ではありません。

新入社員教育や事業所教育等、入社直後に最低限の教育はされますが、実務スタート以降は主体的に学ぶ姿勢がないといけません。

分からないことや不安なことがあっても、上司が自ずと気づいて助けてくれると思ったら痛い目にあいますよ。

なぜなら、上司は皆忙しく、求めらてもいないのに部下の教育にわざわざ時間を割くことはないので。

なんだか冷たい職場に見えるかもしれませんね(笑)。

ですが、大丈夫です。聞けば教えてくれます。

聞いても教えてもらえない場合はタイミングが悪いと思います。時間をおいて聞きに行くとか、取り急ぎメールするとか、上司に合わせて工夫しましょう。

大事なことは、不安なことを放置しないことです。

入社直後は分からないことだらけなので、質問魔になるぐらいでちょうどいいと思いますよ。

何か行動を起こせば周りも無視はできません。相手に働きかける主体性が大事です。

sakuranokii
sakuranokii

筆者自身、入社1年目で一番ストレスを感じたのは上司が助けてくれないことですね(笑)。今思うと学生気分が抜けてなかったのかなと思います。今はもう慣れて、助けてもらえたらラッキーぐらいの気持ちです。学生のうちから受け身ではなく主体的に物事を動かすことを意識しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると下図のようになります。

大学と企業の研究の違いまとめ

大学の研究は学問の発展、企業の研究は会社の発展=黒字とゴールが違います。

ゴールの違いに起因した研究環境の違いが色々あるということですね。

大学での自由な研究、企業での制約は多いがやりがいのある研究、どちらも楽しんでいきましょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

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