大学院生必見!大学と企業の研究の違い【安全衛生活動編】

大学院生必見!大学と企業の研究の違い【安全衛生活動編】企業での研究
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こんにちわ。sakuranokiiです。

技術系職になりたいと考えている大学生の方はこんな疑問をお持ちではないでしょうか?

企業は大学よりも安全意識が高いって聞くけど

具体的にどう違うの?

企業で技術系職に就いた方はその徹底した安全衛生管理に驚くことでしょう。

事業の安定継続のためには安全な職場づくりが基本中の基本ですので、企業は安全を第一に考える組織です。

将来的に企業で技術系職に就きたい大学生の方は企業で行う安全活動を前もって知っておいて損はないです。

それに、企業の徹底した安全衛生管理は研究室生活にも応用できる部分があるので勉強にもなりますよ。

というわけで、本記事の内容は下記です。

本記事の内容

●テーマ

現役企業研究職の筆者が実際の経験に基づき技術系職が行う安全活動について伝える

●主旨

技術系職に就きたい大学生に企業の安全衛生管理の方法を知り視野を広げてほしい

●読んでほしい人

技術系職を目指している大学生

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安全関係の会議はたくさん!

安全関係の会議はたくさん!

企業ではどんな安全活動がメインなの?

企業で行うメインの安全活動は安全会議ですね。

チーム内で行う小規模の会議から研究所全体で行う大規模な会議までたくさんあります。

具体的には下記のような会議に日々参加しています。

安全に関する会議の種類

●安全タイム(毎日5分程度)

チーム内で行う安全会議。ヒヤリハットの共有や安全関係の連絡事項共有を行う。

●安全昼礼(毎週10~20分程度)

部内で行う安全会議。災害情報の共有や部内全体に関係する安全関係の連絡事項共有を行う。

●研究所内安全担当者会議(毎月2時間程度)

研究所内で行う安全会議。各部の安全衛生管理担当者が集まり情報交換などを行う。

●部内安全担当者会議(毎月3時間程度)

部内で行う安全会議。各チームの安全衛生管理担当者が集まり部内の安全活動の進捗状況の確認や新しい取組の進め方の議論などを行う。

●安全ミーティング(毎月1時間程度)

 チーム内で行う安全会議。部内安全担当者会議で議論した内容をチーム内に共有する。

大学の研究室でも何か問題があったら話し合うことはあると思いますが、企業では自部署で何も問題が起こっていなくても安全会議を日々行います

他部署で起こった災害とその対応策の周知や日々のヒヤリハット活動などを通じて、問題が起こる前に対処することが基本的な安全衛生活動です。

様々な会議で安全に関する議論を日々聞きますので、企業に入ると嫌でも安全に対する意識は向上します(笑)。

sakuranokii
sakuranokii

大学と企業の安全活動の最も大きな違いは「頻度」ではないかと筆者は思います。学生時代も何か安全関係のトラブルがあれば皆で話し合うことはありますが、やはり時間が経つと安全への意識レベルは下がります。一方、企業では毎日安全会議を行うおかげで意識レベルが高いまま維持されています。短時間でも毎日活動させることで企業は社員の安全意識向上を図っているのではないでしょうか。

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抜き打ちパトロール

抜き打ちパトロール

話し合い以外の安全活動はないの?

安全活動は会議室内だけの活動ではなくもちろん現場にも行きますよ。

現場に赴く代表的な活動は安全パトロールですね。

パトロールの内容は下記です。

安全パトロールの内容

担当者が抜き打ちで職場を巡回する

基本は部内の安全衛生担当者がパトロールするが、部外の方が巡回するときもある(下記参照)

部内の安全衛生担当者・・・月1回実施

他部の安全衛生担当者・・・年1回実施

産業医・・・年1回実施

研究所長や工場長・・・年1回実施

不安全な状態がないか確認

実験室に物が散乱している、薬品庫の扉が開けっ放しなど

不安全な行動をしていないか確認

保護具を着用していない、よそ見をして作業しているなど

不安全な状態・行動についてすぐに対応可能であればその場で注意

すぐに対応できないことは別途安全会議で対策を議論する

大学の研究室では上記のようなパトロールはしませんよね(笑)。

大学では教員の目の届くところで学生は基本的に実験すると思いますが、企業は人数も部屋数も多いので上司の目の届かないところで作業される方は大勢います。

ですので、定期的にパトロールすることで普段は目に入らない現場の安全衛生状況も確認しているのです。

また、パトロールを抜き打ちで実施することで、作業者側は常に緊張感をもって作業することになり、安全意識を高いレベルで維持する効果もあります。

sakuranokii
sakuranokii

安全衛生管理の担当者になると上節の会議を始め、安全パトロールや安全に関する情報周知や意見収集など様々な安全関係の取組を担うことになります。自分の業務と並行して安全業務もこなすのは慣れるまで結構大変ですね。

詳細なマニュアルの整備

詳細なマニュアルの整備

定期的にパトロールするとはいえ、上司が常日頃の作業の安全までは確保し切れないのでは?

現場では夜勤も含めて24時間何かしら作業が進んでいます。

定期的にパトロールはしますが、上司が付きっきりで作業者を見守ることはないです。

そのため、派遣社員含め作業者には早く独り立ちしてもらう必要があります

そこで役に立つのが詳細な作業手順書です。

企業では定常的に行う作業はどれも基本的に手順書が存在しますね。

作業手順書を整備するメリットは下記です。

詳細な作業手順書を作るメリット

上司が作業者に伝え漏れなく教育できる

上司がその場にいなくても細かい作業手順まで確認できる

どんな経歴の人でも正しく作業できる

全作業者が同じように作業することでデータの再現性が取りやすい

作業手順書はその作業に精通した方が作成し、上司に承認をもらう流れで作成します。

作業手順書に記載する内容は下記です。

作業手順書に記載する内容

作業の具体的な手順を写真付きで解説する

初めて作業する人を想定し、言われなくてもやって当たり前の作業も省略せず記載する

重要な作業については理論的背景も記述する

作業のやり方だけでなくその作業をする理由も理解させることでミスを防ぐ

安全上の注意点や過去に起こった災害事例も記載

類似した災害を起こさないようにマニュアルに書いて伝承する

ノウハウを詰め込んだ詳細な手順書を用意することで初心者でもすぐに独り立ちできます。

マニュアルの整備は作業の安全を担保する土台として重要ですね。

sakuranokii
sakuranokii

他にも色々な安全活動を実施しています。ユニークな活動としては、各個人が自分なりに作業時の安全ルールを決めて行動しています。例えば筆者の場合は「反応を仕込む前に使用する試薬に間違いがないか分子量を確認する」をマイルールとして設定しています。このルールのおかげで作業前に一呼吸おけるようになりましたね。

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安全衛生活動のメリット

安全衛生活動のメリット

様々な安全活動があることは分かったけど、実際どれぐらい効果があるの?

上記で述べた安全活動に加え、その他にも色々な活動をしているおかげで、部内では年0~1件しか災害は起きていません

100名近く在籍する部でここまで災害件数を抑えられているため、安全活動を頑張る効果は確かにあると思います。

また、日々の安全活動を通じて学ぶこともあります

例えば下記ですね。

安全活動を通じて学んだこと

災害を起こさないために重要な心構え

大抵の災害は焦って行動したことと危険予知の不足から起こる

作業前に一呼吸置き危険予知する習慣があれば自分の身を守れると学んだ

所内や部内のルールおよび設備に詳しくなる

安全活動に係ると企業の内部事情を知る機会が多くなる

設備関係のトラブルは多いので、設備の仕組みから導入・修理の仕方まで学ぶことになる

分かりやすい資料を作成する能力

詳細な作業手順書を作成する過程でこのスキルが鍛えられる

他部署の業務内容にも詳しくなる

安全活動は他部署とも連携して実施するので自然と部外の業務にも詳しくなる

専門分野外の研究室の活動を知れるのは新鮮で勉強になる

上記のように自分の知見が広がったり実験スキルが向上することも、安全活動を頑張る大きなメリットではないかと筆者は思います。

sakuranokii
sakuranokii

本記事で紹介した活動で言うと、週1や月1の安全会議や作業手順書の整備は研究室内でも実施可能かと思います。研究室の安全への意識レベルを上げたいなら是非お勧めします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると下記のとおりです。

本記事の内容まとめ

企業では安全会議を毎日行うので安全への意識レベルが高い

定期的にパトロールすることで現場の安全衛生状況も細かく確認

上司がいなくても安全に作業できるように詳細な作業手順書を作成し教育する

自分の知見が広がったり実験スキルが向上することも安全活動のメリット

大学時代に比べると企業は様々な安全活動をしていることが分かったのではないでしょうか。

研究室生活にそのまま応用できる活動もあったかと思います。

本記事を読んだ方の中には安全活動を「研究とは直接関係ないから何だかつまらなさそう」とか「自分は事故しないから真剣にやらなくて大丈夫」と思った方もいるかもしれません。

ですが、安全活動は自分を成長させる機会になりますので、誠心誠意頑張った方が良いですよ。

また、安全活動での頑張りは業務成績にも大きく反映されますので、昇進したいなら安全活動にも精を出すべきです。

企業の安全衛生管理方法を今のうちから理解しておけば、周りの新入社員よりも一歩進んだ技術系職としてデビューできますよ。

以上、ご参考になれば幸いです。

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