博士課程の就職体験記【面接で聞かれたこと編】

就職関係
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こんにちわ。sakuranokiiです。

博士課程に進学された学生さんで就活を控えている方はこんなことで悩んでいませんか?

博士課程の先輩が少ないから就活の情報が少ない・・・

面接で何を聞かれるのだろう・・・

ESには何を書けばいいのだろう・・・

内定までの一連のながれを知りたい・・・

ドクターの絶対数が少ない日本では博士課程の学生の就活事情は修士課程の学生に比べてよく知られていないかと思います。

身近にドクターの先輩がいない方は特に不安なことでしょう。

そんなドクターの皆様へ、博士課程での就活を経験した筆者が自らの経験談を数記事にわたってお伝えします。

博士課程での就活をイメージするうえで役立つ内容かと思います。

本記事ではまず、筆者が面接で実際に聞かれたことを質問のタイプ別に分類してご紹介します。

また、質問内容から伺える企業がドクターに求める能力とその鍛え方について、筆者なりの意見を述べさせていただきます。

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自分の研究に関する質問

自分の研究に関する質問

筆者の場合、面接は研究発表からスタートし、それに対する質問を軸に進みました。

したがって、自分の研究に対する質問が一番多かったです。

研究に関する質問を内容と割合で分類すると下図のようになります。

面接で聞かれたこと分類

面接には技術系の管理職が何人かいて、その方々から実験結果について色々質問されました。

内容としては学会等でよく聞かれる頻出質問が多く、博士課程の学生なら自分で1から考えて実験を進めると思いますので難なく答えられます。

この実験結果に関する議論が研究関係の質問の半分以上を占めましたね。

実験結果以外では、今の研究テーマの発展性についてよく聞かれました。主に人事部の方や役員の方に聞かれましたね。

実際に聞かれた質問【研究テーマの発展性】

「修士時代のテーマとはどうつながってる?」

「工業化するためにはどうしたらいいと思う?」

「10数年後まで続けたらどんな発展を遂げると想像してる?」

「環境・資源問題解決へのアプローチになる?」

「貴方の研究分野を応用すると将来何ができるか、夢を語ってほしい。」

こういう発展性に関する質問は企業ならではの質問です。

会社に入ると分かりますが、企業で行う研究は社会的に需要があること、そして、長期的なスパンで利益を生み出し続けるテーマでないといけません。

そのためには、大学内の基礎研究で終わるのではなく、その先の将来性を見据える想像力が研究職には求められます。

研究を事業化するまで発展させたいという企業側の要求に、学生が答えられる素養があるのかを面接官は知りたいのだと思います。

また、研究の背景と意義についてもいくつか聞かれました

実際に聞かれた質問【研究の背景と意義】

「素人にも分かるように研究の面白いところをかみ砕いて説明できる?」

「既存の研究成果との違いは?」

「貴方の研究分野で最近流行の研究と比べた独自性は何か?」

企業に入ってからは専門外の人に研究内容を説明することの方が多いので、難解な物事をかみ砕いて説明する力は必要です。

その際には既存の研究成果との違いは明確に説明できないと説得力に欠けますよね。

また、担当研究分野の過去の成果と今の流行を知っておかないと、競合他社に出し抜かれる可能性が高いです。

すなわち、質問の意図としては、学生に物事の説明力と研究競争力があるかを問うているのではないでしょうか?

このように、実験に関することはもちろん、今後の発展性や研究の背景・意義も含めた担当テーマ及び専門研究分野に対する深い理解と説明する力が求められる印象を受けました。

ドクターなら自分で考えながら実験するし、研究の背景も自分で調べた上で意義付けも考え論文に仕上げるため、大体の質問には答えられるかと思います。

難しいのは発展性や専門分野への深い理解と説明力を問う質問ですが、これは筆者の経験上、異分野の方(できれば企業関係者)へ研究プレゼンする経験が役に立ちます

異分野の方にも面白いプレゼンをしようとすると、基本的にかみ砕いた表現を使うし、普段より広い背景から説明するし、イメージしやすい実社会への利用を今後の展開として考えます。

この経験が説明力と研究分野の深い理解、発展性を考える力を養うことにつながると思います。

sakuranokii
sakuranokii

特に発展性に関する質問は研究室内の報告会や学会ではまず聞かれないですよね。一番答えにくかった記憶があります(笑)。 対策としてまずは、上記の具体例に対して自分なりに答えを考えることから始めてみてはどうでしょうか?すぐに答えが出ない質問もあるかと思いますが、考え続けることが大事です。ああでもないこうでもないと考えるプロセスの中で研究に対する理解が深まっていくのですから。

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科学全般に関しての質問

科学全般に関しての質問

自分の研究発表に関する質問だけにとどまらず、科学全般に関することも話題になりました。

具体的には、これからの科学の進む道や今のトレンドに対する意見を求められましたね。

実際に聞かれた質問【科学全般①】

「AIによるシミュレーション技術が発展する中、実験系研究者にできることは何か?」

「(筆者の専門が有機合成なので)有機合成における計算化学の台頭についてどう思うか?」

事業として研究を行う上では、今の社会のトレンド、そして今後の動向をとらえることは重要です。

目の前のことにとらわれ過ぎず、広い視野を持って日々研究しているかという情報感度の高さを学生に求めているのだと思います。

実際に聞かれた質問【科学全般②】

「最近の有機合成化学者に求められる能力は?」

「イノベーションを起こすために必要なことは?」

これは研究者としての素養を伺う質問だと思いました。

特に、イノベーションを起こせる人材を企業は常に求めています。

博士課程の学生に対してはなおさら期待していることでしょう。

ドクターの学生は「イノベーション」というキーワードに対する自分なりの意見を用意しておいた方がいいと思いますよ。

sakuranokii
sakuranokii

筆者は人工知能技術に関しては興味があり本を読んだこともありましたし、流行りの計算化学については実際に自分もやっていたので特に答えに窮することはなかったです。専門分野の研究を極めることはもちろん大事ですが、博士課程は長いので、専門でなくても世の中で流行ってる研究分野については知っておいた方がいいと思います。論文読むよりはるかに楽しいですし、いい息抜きになりますよ(笑)。

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