こんにちわ。sakuranokiiです。
博士課程の奨学金を徹底解説シリーズ第9弾として、奨学金に落ちた方が読む記事を書きました。
博士課程進学を考えている方が奨学金に落ちたとき、こんな気持ちになるでしょう。
奨学金に落ちた・・・
お金もないし、能力も低いなら進学は諦めようかな・・・
奨学金に落ちたときに悲観的になるのは分かります。
ですが、博士課程への進学は簡単に諦めるべきではありません。
本記事では、奨学金に落ちた人がそれでも博士課程に進学するべき理由について、博士号取得者の筆者が社会人の目線から解説します。
博士課程に進学する本当のメリットは学生の頃は中々気づきにくいです。
本記事を読んで、博士号をとる本当のメリットを知れば、博士課程進学に前向きになれますよ。
博士課程に進学するか悩んでいる学部・修士課程の学生はもちろん、博士課程に進んだが本当にこれで良かったのか迷っている方にぜひ読んでほしいです。
自己投資のリターンは無限大
お金もないのに進学すると両親に負担がかかるし、貸与型の奨学金は返還するのが大変そう。進学するだけお金の問題に悩まされるのでは?
奨学金がもらえなかったら、博士課程の間はお金に関して不自由になるかもしれません。
両親に負担をかけることにもなるかもしれません。
お金がないまま進学すると、様々な悩みが尽きないことはよくわかります。
ですが、若くて活力あふれる時期は目先のお金の損得よりも人生経験を大事にしてほしいです。
博士課程に進学すると、周りのほとんどの同期とは異なる濃密な人生経験を積みます。
その濃密な経験は間違いなく優れた自己投資になります。
そして、自己投資のリターンは無限大です。
博士課程の数年間の自己投資で自分の市場価値は大いに上がります。
実際、ドクターは1流の研究者として良い企業の良いポストにつきやすいです。
その結果、博士課程の進学に伴う支出はいずれ何倍にもなって取り返せるでしょう。
取り返せるのだから、貸与型の奨学金を借りたらいいのです。
取り返した後に、両親にたくさん恩返しすればいいのです。
長い目で人生を見れば、博士課程の数年間のお金の問題は些末なことだと筆者は思います。
奨学金が得られたら進学する予定の方の多くは、両親に金銭的負担をかけたくないという気持ちが強いのではないでしょうか?よく分かりますが、自分のせいでやりたいことを我慢する子供の姿を見て両親は喜ぶでしょうか?負担はかかるものの、両親も本当は応援したいはずです。両親が気持ちよく進学に賛成できるように、本記事の進学のメリットをお伝え下さい。
一生のスキルが身につく
具体的にどんなリターンが将来的に得られるの?
博士課程に進学して得られる大きいリターンは高度な専門知識ではありません。
課題解決力と論理的思考力が大きいリターンです。
博士課程に進学すると、博士号を取得するまでの数年間で様々な困難を経験するでしょう。
教員が納得するような新しくて面白いテーマを提案する経験。
研究が進まないときに、何とか次の一手を見つける経験。
学内や学会で大人数の専門家相手にプレゼン&議論する経験。
学生のリーダーとして後輩たちを指導する経験。
膨大な実験データを分かりやすく論文としてまとめる経験。
博士課程時代に乗り越えてきた1つ1つの困難が課題解決力と論理的思考力を鍛えてくれます。
博士は専門知識をたくさん持っているだけの人間ではありません。
博士の本当の価値は、ある分野の専門家になる過程で養われる課題解決力と論理的思考力にこそあります。
そして、課題解決力と論理的思考力は社会に出てからも役に立つ一生のスキルです。
これらのスキルがあれば、すぐに1人で何でもできるようになります。
会社に依存しない生き方が重要視されるこれからの世の中では特に必要なスキルだと思います。
博士課程に進学し、どんな社会でも通用する「生きる力」を身に付けてみませんか?
親世代での博士課程進学者は非常に珍しいし得体が知れない存在です。親目線になると、学生時代を延長して意味の分からない研究に執着しているように見えるかもしれませんので、進学に否定的な方もいるでしょう。ですが、本当に博士課程に進学したいなら負けないでください。上記は博士課程をよく知らない親世代にも伝わりやすいメリットですので、ぜひ説得の材料に使ってください。
嫌でも必ず偉くなる
本当にそんな立派な能力が身につくの?奨学金に落ちるような学生が博士課程でやっていけるのかな?
博士課程に進学する前に、自分の能力に不安があるのは皆一緒です。
それは博士課程に進学したことがないのだから当たり前です。
筆者の経験上、博士課程進学前に様々な不安を抱えていても、進学後には気づいたら優秀な学生になっているパターンが多いです。
たとえ周りから明らかな能力不足を指摘されたとしても、進学をあきらめる必要はありません。
博士課程に進学すると、修了するために嫌でも人一倍努力せざるを得ないので必ず成長します。
スタート地点での能力差は博士課程の過ごし方次第ですぐに埋まりますよ。
また、奨学金に合格しなくても優秀な学生を筆者はたくさん知っています。
奨学金がもらえなかったからと言って自己嫌悪に陥らないでください。
全力を出して駄目だったのなら、面接官との相性がたまたま合わなかっただけでしょう。
気に病むだけ時間の無駄ですので、さっさと別の奨学金制度に応募した方がいいですよ。
過去や現在の自分の能力で、将来の自分の能力まで決めつけないでください。
博士課程進学がきっかけとなり、行動を起こすようになれば、自分でも驚くほど偉くなりますから。
博士課程の向き不向きについては別記事で詳しく解説していますので参考までにご覧ください→博士課程進学に向いている人【博士課程進学にお悩みの方へ】。向いている要素が1つでもあれば十分です。博士課程に進学することをお勧めします。
自分に自信がつく
博士号をとるまで頑張り続けられたら成長するとは思うけど、何年もの間モチベーションを保てるかな?
博士号取得に対するモチベーションアップのため、博士号取得の最大のメリットをお伝えします。
最大のメリットとは、「自分に自信がつくこと」です。
現在の日本の博士課程進学率を考えると、博士号所得者は同い年の中で1%もいません。
99%以上の同期が持っていない博士号という称号は非常に価値の高いステータスですよ。
もちろん名ばかりではなく、博士号取得者は困難を乗り越えて高度な課題解決力と論理的思考力を身につけており、この経験とスキルも自信につながります。
そして、その自信は人を強くします。
社会に出てから壁にぶつかっても、博士課程の頃を思い出したら乗り越えられます。
実際、筆者は企業研究者として大変な時期も経験しましたが、そんなときに自分をいつも奮い立たせてくれたのは、博士課程での経験とスキルに由来する自信でした。
「あのとき乗り越えられたのだから、今の問題も何とかしてみせる」「あのときに比べたら今の状況なんて大したことない」「あのとき学んだ教訓を活かせば解決できそうだな」
そう考えることで前向きになれ、実際に苦境も乗り越えられました。
つまり、自分に対する自信は苦境に対応する原動力となるのです。
博士課程進学後、つらいことが重なりモチベーションが下がることもあるかもしれません。
そんなんときは、「これを乗り越えた経験が将来の自分を助ける」と考え、自分を奮い立たせてください。
将来の自分は博士課程で頑張った自分に必ず感謝することになりますからね。
企業研究者になって分かった博士号を取得したメリットとしては、「どこでも一目置かれる」「チャンスをもらいやすい」「出世が早い」などが他にも挙げられます。あのとき頑張ってよかったと思える瞬間は何度も訪れますから、楽しみしておいてください(笑)。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると下図のようになります。
博士課程への進学は最高の自己投資です。
貴重な経験を通じて、社会で生きる上で大切なスキルが手に入ります。
リターンが十分にあるので、経済的理由で博士課程進学は諦めてほしくないです。
また、奨学金に落ちたからと言って、博士課程に向いていないわけでは決してありません。
自分がどんな人生を歩みたいか、長い目でよく考えてください。
些細なことにとらわれて、博士課程に進学したいのにしなかったら一生後悔すると思いますよ。
以上、ご参考になれば幸いです。
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