博士課程とは?【修士課程との違い】

博士課程とは?【修士課程との違い】一般的話題
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こんにちわ。sakuranokiiです。

皆様は博士課程(読み方:はかせかてい)とは何かご存知でしょうか?

文部科学省によると、博士課程へ進学する学生の割合はその世代の中で1%未満と推定されています。

そんな世間的にはあまり知られていない博士課程について、

最近博士号を取得した筆者が、修士課程との違いという観点からご説明します。

この記事を通じて、博士課程への進学に少しでも興味を持っていただければ幸いです。

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博士課程とは?

博士課程とは?

多くの方は大学に入学した後4年で卒業されますよね。

ですが、より高度な知識やスキルを身に着けたい場合は大学院に進学します。

博士課程とは、博士号の取得を目的に進学する大学院の過程のことです。

博士号とは何かというと、

大学で最高レベルの教育を修了した証として与えられる学位(栄誉称号)です。

ユネスコが作成している教育レベルの分類である国際標準教育分類(ISCED)で、トップのレベル8に位置するように、博士号は国際的に認められた世界最高位の学位です。

参考)ISCED:http://uis.unesco.org/en/topic/international-standard-classification-education-isced
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修士課程との違い

修士課程との違い

ただいきなり博士課程に進学するわけではなく、

以下のように大学院の修士課程を経て、修士号の学位を取得した後に進学します。

大学(4年在籍)⇒大学院の修士課程(2年在籍)⇒大学院の博士課程(3年在籍)

博士課程では修士課程の2年間と同じことをさらに3年間行うわけではありません。

博士課程と修士課程の根本的な違いは何かというと、

博士課程では学術的に価値のある知見を発見し、公表することが求められます。

さきほどの国際標準教育分類(ISCED)で博士号はレベル8でしたが、修士号はレベル7に位置付けられています。このレベル差の由来は定義の中身を見てみると分かります。

簡単に言うと、レベル7=修士はレベル6(大学卒業レベル)よりも高度な知識を身に着けることが求められる一方で、レベル8=博士は既存の知識を深めることにとどまらず、ある研究分野の発展に貢献し、新たな知見を論文として世に出すことが求められます。

参考)
ISCEDレベル7の定義:https://doi.org/10.1787/9789264228368-12-en
ISCEDレベル8の定義:https://doi.org/10.1787/9789264228368-13-en

進学の条件は?

進学の条件は?

博士課程に進学するためには、修士課程に入学するときと同じように入学試験に合格する必要があります

試験の内容はどの大学も大体同じで、若干異なる程度です。

一例をあげると、筆者の場合は専門英語の筆記試験と口頭試問でした。

英語の試験は自分の研究内容について英語で説明するもので、ある程度対策を立てればほとんど苦労しない内容でした。

口頭試問は今までの研究成果と進学後の研究テーマについてのプレゼンと質疑応答を教授たちと行いました。緊張はするものの、しっかり練習していれば問題ありません。

志願者が少ないこともあるせいか、筆者の周りで博士課程の入試に落ちたという話は一度も聞いたことがありませんので、よほどのことがない限りはパスできると思います。

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修了の条件は?

修了の条件は?

上述の通り、博士課程は研究成果を論文として公表することが重要視されます。

そのため、修了*の条件として「学術論文〇〇報以上の出版」が必ず付きます。

〇〇の数は大学や専攻分野によって変わりますが、2~3報が多いと思います。

その他、学内の教授たちによる学位論文審査に合格することや、博士課程でも少ないですが授業はありますので単位の取得などが挙げられます。

一方、修士課程の修了条件は学内向け学位論文の審査と単位の取得のみで、学術論文の出版は必要ない点で博士課程と大きく異なります。

博士課程は一般的に3年間在籍しますが、上記条件をクリアするには相当な努力が必要です。その結果得られる博士号の学位が権威ある称号であるのはそのためだと思います。

*注) 小中高大学までは卒業と言いますが、大学院では修了と言います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は博士課程とは何かについて、修士課程との違いを交えながらお話しさせて頂きました。

今回の記事の内容をまとめると下図の通りです。

博士課程とは?まとめ

博士課程での研究活動は大変なことも多いですが、その分得られるものは多いです。

実際、筆者にとって博士課程3年間の研究室生活は非常に”濃い毎日”で、自分の人生にとってかけがえない貴重な時間だったと思います。

研究者として一流のキャリアを築きたいのなら、20代の体力も気力も十分な時期に、博士課程で自己研鑽するのは良い選択肢ではないでしょうか?

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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