こんにちわ。sakuranokiiです。
前記事に引き続き、大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻および理学研究科化学専攻の過去問分析結果をご紹介します。
本記事では物理化学の分析結果を共有します。
各専攻の過去問5年分を分析した結果をもとに、全体の傾向・頻出問題・差がつくポイントを解説します。
本記事を読んで、有名大学の院卒という輝かしい学歴を手に入れる第一歩を踏み出しましょう!
工学研究科_全体の傾向
まずは全体の傾向から知りたい!
初めに、大阪大学大学院工学研究科の過去問分析結果から説明します。
まずは全体の傾向をざっくり掴んでおきましょう。
下図に阪大大学院工学研究科の物理化学の各単元の出題割合をまとめました。
様々な単元から出題されていますが、分子軌道論・分子分光学・原子軌道論・量子力学に関する問題で約半分を占めています。
阪大大学院工学研究科の物理化学はこれらの単元を重要視しているようですね。
また、基礎問題と応用問題の比率を見てみると、全体としては84%が基礎問題で16%が応用問題です。
つまり、阪大大学院工学研究科の物理化学は大部分が基礎問題なのです。
教科書レベルの基礎事項をしっかり理解しておけば高得点が狙えますね。
有機化学や無機化学などの他科目に比べても工学研究科の物理化学は意外に簡単です。
次節から解説する具体的な対策方法をしっかりと読んで、物理化学を得点源にしましょう。
【大学院入試の過去問分析】化学専攻必見!物理化学の頻出問題を解説で述べた全体の傾向と比較すると、分子軌道論と量子力学が狙われやすい点は共通しています。一方で、他大学でよく出題される反応速度がほとんど出ないのが阪大大学院工学研究科の特徴ですね。
工学研究科_絶対に落とせない頻出問題
どんな問題が頻出なの?対策の仕方は?
各単元の頻出問題を下記にまとめました。
これらの頻出問題の対策は大部分が前記事【大学院入試の過去問分析】化学専攻必見!物理化学の頻出問題を解説で紹介済みですので、ぜひご覧ください。
一部未解説の問題について、下記に対策をまとめました。
・活量と活量係数:活量aは理想溶液からのずれを考慮した混合溶液中のある成分のモル分率のこと。活量係数γと理論上のモル分率xの積で表され、活量係数は理想からのずれの程度を表す。混合溶液中のある成分の化学ポテンシャルμは活量を用いてμ=μ*+RTlna=μ*+RT(lnγ+lnx)と表現できることを知っておく(μ*はある成分が純物質として存在するときのμ)。
・ネルンストの式:電池の起電力Eと反応のΔGにはΔG=-nFE(nは電子の量論係数、Fはファラデー定数)の関係が成り立つ。この式をΔGと反応比Qの関係式ΔG=ΔGΘ+RTlnQ(ΔGΘは標準状態のG変化)を用いて式変形するとネルンストの式E=EΘ-(RT/nF)lnQ(EΘは標準電位)が得られることを知っておく。
分子分光学に関しては周りと差がつくポイントなので、次節で改めて解説します。
頻出問題は基礎問題が多いですので周りの受験生も当然対策済みです。
簡単な問題が答えられず差がつくことがないようにしっかり対策しておきましょう。
阪大大学院工学研究科の物理化学はどの単元でも毎年違う角度からの問題が出題されている印象があります。似たような問題はあまり出ないので幅広い知識が必要です。ただし、問われるのは基礎的な知識ですので広く浅く勉強するのが効率的だと思います。
工学研究科_周りと差がつくポイントとは?
頻出問題は皆正解するからそれだけ押さえても合格することは難しいよね。他の受験者と差をつけるためにはどうしたらいいの?
他の受験者と差をつけるためには「応用問題を解けるようになる」「よく出題されるが周りがあまり対策していない単元を押さえておく」の2点が重要です。
この2点を踏まえて、さきほどの物理化学の各単元の出題割合の図をもう1度見てみましょう。
良く出題される上に応用問題の割合が高いのは「分子軌道論」「分子分光学」「原子軌道論」ですね。
これらの単元に関しては幅広い知識と深い理解が必要であることが分かります。
特に、「分子分光学」と「原子軌道論」は他大学に比べて出題割合が高いです。
また、阪大大学院工学研究科の物理化学は複雑な関係式の導出を応用問題として扱いますが、問題文の誘導に従えば見た目ほど難しくないことが多いです。
すなわち、差がつくポイントは下記です。
①分子軌道論・分子分光学・原子軌道論に関する幅広い知識と深い理解があるか?
②見た目のややこしさに惑わされずに基礎知識をもとに複雑な関係式を導けるか?
上記の問いに2つとも「Yes」と答えられる受験生が合格します。
どんな対策をすればいいのかを次節で見ていきましょう。
阪大大学院工学研究科の物理化学は誘導が丁寧なので、最初の数問が解ければ全問解答まで狙えるパターンがよくあります。最初の数問を自信もって解答できるのであれば選択問題で物理化学を選ぶのはありだと思います。
工学研究科_周りと差をつけるためにやるべきこと
差がつくポイントは分かったけど、具体的にどんな勉強をすればいいの?
周りの受験生と差をつけるためにどんな対策をすればいいのかを、実際の出題例を見ながら解説します。
差がつくポイントまで押さえておけば合格は目の前ですよ!
物理化学は全体的に重要関係式の導出問題が多いですので、あらかじめその関係式を知っておくと有利です。特に熱力学の基本法則は特にそうですね。結論を知っていると簡単だが知らないと苦労する問題が多い印象があります。熱力学の基本法則は教科書をしっかり読んで重要な関係式は覚えておきましょう。
工学研究科_まとめ
いかがでしたでしょうか?最後におススメの勉強手順を示します。
Step 1:分子軌道論・分子分光学・原子軌道論・量子力学に該当する教科書の章および授業ノートを復習。熱力学の基本法則は物理化学の基礎なので同様に復習。
Step 2:分子軌道論・分子分光学・原子軌道論・量子力学に関して本記事の頻出問題や差がつくポイントを勉強
Step 3:教科書の例題や授業中の演習問題を解けるようになる
Step 4:時間が許す限り他単元も出題割合の高い順に同様の流れで勉強
Step 5:過去問演習(直近5年分)&復習
上記のステップに沿って勉強すれば、阪大大学院工学研究科の物理化学対策は十分ですよ!
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