博士を目指す大学生必見!博士が答える博士課程に関するQ&A集【悪い面・研究室生活・英語編】

博士を目指す大学生必見!博士が答える博士課程に関するQ&A集【悪い面・研究室生活・英語編】悩み
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こんにちわ。sakuranokiiです。

博士課程に興味がある大学生の方は博士課程に関して様々な疑問や不安をお持ちかと思います。

とはいえ、先輩の博士課程がいない方もいるでしょうし、先輩の博士課程がいても聞きにくいことはあるでしょう。

そこで、博士号を取得した筆者が博士課程に関するよくある質問に全てお答えします。

本記事では博士課程の悪い面・研究室生活・英語に関するQ&A集を作成しました。

本記事の内容

●テーマ

博士号を取得した筆者が実際の経験に基づき博士課程の悪い面・研究室生活・英語に関する疑問や不安に答える

●主旨

博士課程に進学したい大学院生の疑問や不安を解消し、博士課程に進学するモチベーションを上げてほしい

●読んでほしい人

博士課程に興味がある大学生

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悪い面に関するQ&A集

悪い面に関するQ&A集

始めに、博士課程の悪い面に関するQ&A集を以下に示します。

悪い面に関するQ&A集

Q:博士課程のデメリットは?

A:他の多くの同期と比べて社会に出るのが遅れるので、お金に余裕はないし、社会経験も乏しく、ライフイベントをこなすのも遅れる点がデメリットです。ですが、それも20代までの話で30代になれば追いつきます。追いつくどころか、博士課程で得られた貴重な経験やスキルは長い人生を生き抜く上で心強い武器となります。長い目で見れば博士課程に進学するメリットの方が大きいと筆者は思います。

Q:博士課程で後悔していることはある?

A:筆者の在籍していた研究室は自由度が高かったおかげで、やってみたいことは全てできたので後悔はないです。強いて言えば、最後にやっていた研究テーマを完成させてから卒業したかったですね。

Q:博士課程をやめたいと思ったことはある?

A:やめたいとまで思ったことはないです。確かに研究が思うように進まない時期や、デスクワークで忙しい時期はつらいですが、結局は研究が好きだし、研究室の環境も良かったのでやめることは一度も考えませんでした。もし研究室に行きたくない・やめたいと悩んでいる方は過去記事「研究室に行きたくない人が読む記事」をぜひご覧ください。

Q:博士課程で挫折経験はした?

A:最初に自分が考えたテーマが頓挫したときはさすがに落ち込みました。博士課程に進学すると数多くの失敗を経験すると思いますが、失敗しても次のアイデアを試せばいいのです。諦めずに粘り強く取り組んでいればいつか必ず上手くいきます。研究で行き詰ったときに具体的にどうしたらいいかは過去記事「研究・実験が進まないときに読む記事」をご参照ください。

Q:博士課程って孤独?

A:孤独ではありません。確かに同期の数は少ないですが、その分仲は良くなりやすいです。学会や留学を通じて友人もできますよ。

Q:博士課程でストレスがたまる瞬間はどんなとき?

A:研究関係よりも人間関係でストレスはたまりやすいですね。研究室は10~20人規模の組織なので性格が合わない人が1~2人いてもおかしくありません。合わない人とはつかず離れず適切な距離感を保ち無駄なストレスを抱えないようにしましょう。研究室生活でのストレス解消方法に興味がある人は過去記事「研究室でのストレスを解消する方法」をご覧ください。

Q:博士課程で苦しい瞬間ってどんなとき?

A:研究テーマが上手くいかない時期が長く続くとやっぱりつらいですね。とはいえ、つらい時期を乗り越えることで研究者として成長できます。研究が上手くいかないときの対策は過去記事「研究・実験が進まないときに読む記事」をご参照ください。

Q:博士課程の学生は貧困に悩まされる?

A:筆者は貧乏にあえぐ博士課程は見たことがありません。学費は減免措置がありますし、貸与型の奨学金で良ければJASSOを始め支援を受けられる制度は山ほどあります。給付型奨学金制度も最近はたくさんありますよ。博士課程向けの奨学金制度については詳しくは過去記事「博士課程の奨学金について徹底解説」をご参照ください。

Q:博士課程はうつになりやすい?

A:博士課程に進学した理由が後ろめたい理由(就活に失敗した等)であったり、教員などとの人間関係がこじれた場合は厳しい環境も相まって鬱症状がでる人もいるでしょう。また、ブラック研究室で博士課程まで行くと間違いなく病むと思います。博士課程に進学するなら環境選び(自分が望む研究室に行く)と環境づくり(人間関係を良好にする)をまずは重視するべきです。環境選びに役立つ過去記事「ブラック研究室の特徴と見分け方」と環境づくりに役立つ過去記事「研究室でのストレスを解消する方法」をぜひご覧ください。

Q:博士課程の闇って例えば何?

A:標準修業年限内で必要な論文数を執筆できず、その焦りのせいで研究も思うように進まない結果、何年もオーバーしている学生は博士課程の闇と言えるでしょう。ただしこれは非常に稀な例ですし、そもそも何年もオーバーする前に博士課程を中退して就職する道もあるのでご安心ください。

Q:博士課程は無能?

A:その博士の能力によるので一概には言えませんが、筆者が知る博士で無能な人はいませんでした。どんな人でも厳しい博士課程の生活を乗り越えることで成長しているのだと思います。

Q:博士課程は変な人が多い?

A:いいえ。どんな性格かは博士課程かどうかは関係なくその人によります。

Q:博士課程はうざい人が多い?

A:いいえ。どんな性格かは博士課程かどうかは関係なくその人によります。

Q:博士課程はクズばかり?

A:いいえ。どんな性格かは博士課程かどうかは関係なくその人によります。

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研究室生活に関するQ&A集

研究室生活に関するQ&A集

続いて、博士課程の研究室生活に関するQ&A集を以下に示します。

研究室生活に関するQ&A集

Q:博士課程の生活は地獄って本当?

A:好きな研究ができず、教員の命令に振り回させ、無理やり長時間拘束されるような生活なら地獄でしょうが、筆者はそんな人を見たことがありません。確かに拘束時間は長いですが、自分のやりたいことができ、日々成長を感じられる環境であれば悪くないですよね。博士課程を地獄にしないためにはやりがいが感じられる環境を選ぶ、自ら環境を作ることが大切です。

Q:博士課程はどんな一日を過ごす?

A:実験がメインですが、それに加えて文献調査や論文執筆、後輩の指導などやることが多く慌だたしい1日を過ごします。9時過ぎに研究室に来て帰るのは23時以降でしたね。具体的な1日のスケジュールを知りたい方は過去記事「博士課程は地獄?~博士の1日をご紹介~」をご参照ください。

Q:博士課程って忙しい?

A:忙しいですね。実験、文献調査、論文執筆、後輩の指導に加えて、時期によっては研究発表のスライド作成、学振等の申請書作成、TAとして授業の手伝い、研究室内のトラブル対応などやることは常にあります。バラエティに富んだ密度の濃い毎日を過ごしていました。

Q:博士課程で一番大変だったときは?

A:複数の仕事(留学準備、学振の申請書作成、論文執筆など)が偶然重なったときが一番大変でした。博士論文発表会も大変は大変でしたが今までの積み重ねがあるので1番ではなかったですね。

Q:博士課程で一番楽しいときは?

A:自分のアイデアが実現したときがやっぱり一番楽しいです。それまでの苦労が全て報われます。この瞬間があるからこそ研究は辞められません(笑)。

Q:博士課程で研究テーマはどうやって見つける?

A:研究テーマのヒントは意外に自分の足元にあります。よく勉強もせずに最近流行りの分野に手を出すよりも、今まで積み上げた実験結果を振り返った方が良いテーマを思いつきますよ。他にもテーマ探しのコツはありますが、詳しくは過去記事「研究テーマの探し方・育て方」をご参照ください。

Q:博士課程で研究が進まないときはどうしたらいい?

A:とにかく人に聞くのが筆者のおススメです。筆者の場合は大体これで解決してきましたね。人と話すことで思い込みから抜けられますし、人から聞いた新たな知見が解決のヒントになります。他にも色々な対処法がありますが、詳しくは過去記事「研究・実験が進まないときに読む記事」をご参照ください。

Q:博士課程を乗り切るのに必要な能力って何?

A:粘り強く物事に取り組む力です。研究は上手くいかないことがほとんどなので。あとは、博士課程は実験だけでなく論文執筆や後輩の指導、資料作成などやることが多いのでマルチタスクをこなす能力があると良いですね。

Q:博士課程におすすめのメンタル管理方法は?

A:研究室と関係のない人(高校の同級生や家族)と研究と何も関係のない話をするのがおすすめです。研究から離れられる時間をたまには作ると良いリフレッシュになりますよ。

Q:博士課程在籍中に研究へのモチベーションを維持する方法は?

A:人それぞれかと思いますが、個人的には優秀な同期と研究の話をすることです。頑張っている同期を見ると自分も頑張らないととモチベーションが上がります。

Q:博士課程でも講義はある?

A:あります。筆者の大学院ではコマ数は非常に少なく年数回の特別講義を受けるだけでした。

Q:博士課程に夏休み・冬休みってある?

A:普通にありますのでご安心ください(笑)。

Q:博士課程って土日は何してるの?

A:筆者の研究室は土曜日もありましたので平日と同じく研究に勤しんでいました。ただし、コアタイムは午前中までなので、用事があるときや何となく疲れた日は昼間に帰ってましたよ。日曜日や祝日は普通に休みですのでリフレッシュしていました。

sakuranokii
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英語・留学に関するQ&A集

英語に関するQ&A集

続いて、博士課程の英語・留学に関するQ&A集を以下に示します。

英語・留学に関するQ&A集

Q:博士課程の英語表記は?

A:Ph.D.(Doctor of Philosophy)です。詳しい意味を知りたい方は過去記事「博士課程や博士号の英語表記とその深い意味とは?」をご参照ください。

Q:博士課程なら英語の名刺をもつべき?

A:別にいらないです。名刺すら必要ではありません。

Q:博士課程では高い英語力が必要?

A:修了するだけであれば高度な英語力は実は必要ありません。文献調査で論文を読むためのリーディングスキルと論文を執筆するためのライティングスキルさえあればOKです。具体的に必要なスキルとそのスキルの鍛え方については過去記事「博士課程修了に必要な英語力の最低レベルとは?」をご参照ください。

Q:博士課程のTOEICの平均点は?

A:国際ビジネスコミュニケーション協会が公表しているTOEIC Program DATA&ANALYSIS 2020によると、大学院生の平均点は約530点です。博士課程ならこれよりももう少し高いぐらいでしょう。知り合いの博士たちのTOEICの点数は人によってばらつきがありますが、平均650点ぐらいの印象ですね。

Q:博士課程におススメの英語の勉強法ってある?

A:学部の卒論発表の英語版を作成し発表練習するのがおススメです。原稿作成を通じてライティングスキルを鍛えつつ、発表練習でスピーキングとリスニングスキルを鍛えることができます。学部時代の卒論なら内容はよく分かっているので英語学習に集中できますし、分量も多すぎず丁度良いです。具体的なやり方を知りたい方は過去記事「博士課程学生の英語勉強法」をご参照ください。

Q:博士課程を英語なしで卒業できないか?

A:さすがに無理です(笑)。論文は英語で執筆しないといけませんので。

Q:博士課程でも英語ができない人っている?

A:英語が苦手な方も普通にいます。そんな人でも論文執筆などで英語を使っていると博士課程を修了する頃にはそれなりの英語力が身に付きますよ。

Q:博士課程で英語ができなくても論文を書く方法ってない?

A:論文には特有の文章構造があり、よく使われる言い回しもある程度決まっています。ですので、論文で頻出の英語表現を覚えるだけで、英語が苦手な方でも論文を書くハードルはかなり下がりますよ。論文誌筆で汎用的に使える英語表現は過去記事「論文で使える英語表現200選」をぜひご覧ください。

Q:博士課程なら英語で自己紹介できないとダメ?

A:博士課程に進学すると国際学会への参加や海外留学などで外国人と話す機会も出てくるので、英語で自己紹介はできて損はないですよ。英語での自己紹介で言うことはパターンが決まっているのですぐに身に付きます。博士課程が英語で自己紹介するときに使える例文は過去記事「英語で自己紹介~例文あり~」をご参照ください。

Q:博士課程は海外留学もする?

A:昔に比べて最近は留学する人が多いです。筆者自身もドイツに留学し、非常に貴重な経験ができました。今は新型コロナウイルスの影響で難しいかもしれませんが、機会があればぜひ海外留学はした方が良いと思います。

Q:博士課程が海外留学するメリットは?

A:筆者は博士課程在籍中にドイツに3ヶ月間留学しましたが、一番大きいメリットは視野が広がったことですね。他の研究室の文化や研究の進め方を知ることで、自分の研究に対する姿勢を見つめ直すきっかけになりました。また、多様な価値観の人と交流することで器が大きくなった気がします。若いうちに海外での生活を経験することは間違いなく人生観に良い影響を与えると思います。

Q:博士課程が短期留学する際に使える奨学金制度ってある?

A:おすすめは文部科学省主催の「若手研究者海外挑戦プログラム」ですね。3ヶ月~1年程度の海外留学をする博士課程の学生へ100~140万円もの奨学金を支給する制度です。ただし、もちろん誰でももらえるわけではなく学振のような選考を勝ち抜く必要があります。他には「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム大学生等コース」や「JASSOの第2種奨学金」が有名です。

Q:博士課程が海外留学するまでの手順は?

A:まず指導教授に留学したい旨と行きたい研究室の候補を伝えましょう。行先が決まれば指導教授が先方の教授に打診してくれます。先方からOKが貰えれば一安心ですが、諸々の準備があります。留学資金の確保(奨学金への応募等)と宿泊先の確保が最重要で、後は先方と具体的な訪問日程の相談、飛行機の予約、海外移住に向けた準備(パスポート作成、クレジットカード作成、衣類準備、海外保険加入など)とやることは多いです。早め早めの準備を心掛けましょう。

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その他のQ&A集

その他のQ&A集

最後に、その他のQ&A集を以下に示します。

その他のQ&A集

Q:博士課程のあるあるって何?

A:日曜日に研究室に行くと博士課程が1人はいます(笑)。

Q:博士課程の女性比率は?

A:かなり低いです。筆者の体感で20人に1人ぐらいの印象です。

Q:博士課程では恋愛はできない?

A:ほぼ研究室にいるので出会いが少ないことは確かですが、自分から行動を起こせば彼氏彼女は作れると思います。博士課程の恋愛事情は個人によって大きく違うので一概には言えないですね。博士課程でもモテる人はモテるしモテない人はモテないです(笑)。

Q:博士課程に進学すると結婚のタイミングを逃す?

A:人によります。婚期は遅れるかもしれませんが、博士課程に進学したから結婚できないというのは言い過ぎな気がします。自分から行動を起こすかが大事だと思います。

Q:博士課程におすすめの本って何?

A:ピーター・B・メダワー著の「若き科学者へ」がおすすめです。研究者が知っておくべき教訓や倫理観に関する名著です。世界中で何十年間も読まれており、タイトル通り若き科学者の必読書です。筆者も博士課程在籍中に読みましたね。特に研究が進まないときはヒントになると思いますよ。

Q:博士課程に進学した有名人っている?

A:あまり知られていないかもしれませんが、漫画の神様と言われる手塚治虫さんは医学博士です。その知識や経験をもとにブラック・ジャックという名作を生み出したのでしょう。本当に多彩な方ですね。

sakuranokii
sakuranokii

ここまで読んで頂いてありがとうございました。これで博士課程に関する知識は十分すぎるほど身に付きましたね。これからも博士課程を目指して頑張ってください!

まとめ

博士課程に関する不安や疑問は解消されましたでしょうか?

世間では博士課程に関してネガティブな印象が強いようです。

原因は一部の博士課程の方や博士課程に進学したことのない方があることないことを吹聴しているせいかと思います。

博士課程は確かに大変なときもありますが、それ以上に日々好きな研究に打ち込める楽しさがあります

また、これからの「個の時代」では博士号を取得し手に職をつけることのメリットは非常に大きいと筆者は考えています。

実際、博士課程への進学を促進する国の取組も最近活発になっています。

博士課程に興味がある人は、博士課程に関する正しい情報を入手し、その悪い面に囚われず良い面もしっかり見てほしいです。

そのうえで、博士課程に進学するかどうかをよく考えましょう。

本記事の前編【基礎知識・仕組み・進学編】【就職・奨学金・給料編】もぜひご覧ください!

以上、ご参考になれば幸いです。

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