博士課程は何年?【学科ごとの違いを解説】

博士課程は何年?【学科ごとの違いを解説】一般的話題
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こんにちわ。sakuranokiiです。

博士課程に興味がある学生の方はこんな疑問をお持ちではないでしょうか?

博士課程って修了するのに何年かかるのだろう?

学科によって違いもあるのかな?

博士課程に何年在籍すれば修了できるのかはよく聞かれる質問ですね。

本記事では、博士課程修了までに必要な標準年数を学科ごとに解説します。

博士課程の修了年数は学科によって決まってはいますが、実は学生の状況によって変わることもあります。

そこで、実際には何年かけて博士課程を修了したかについて、国の統計調査をもとにご紹介いたします。

本記事を読めば、周りの学生よりも博士課程のしくみについて詳しくなれますよ。

参考にした資料

令和2年度博士課程の専攻分野別 入学年度別 卒業者数

*e-Stat 政府統計の総合窓口より閲覧可能

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基本は3年で修了

基本は3年で修了

博士課程の標準修業年数は学部の年数で決まります。

4年制の学部の場合は博士課程は3年です。

ご存知の通り、ほとんどの学部は4年制なので、博士課程は基本的に3年間で修了なのです。

理系では理学、工学、農学、薬科学、文系では人文科学、社会科学、教育、家政、美術など多数の学部が博士課程3年のシステムです。

ところで、大学院における課程は「修士課程」「博士課程」「専門職学位課程」に分類されます。

しかし、実際は大学院によって課程の呼び方が色々あり、中には博士課程が何年なのか混乱する呼称もあります

そこで、大学院における課程の呼称別に、博士課程に相当する課程がいつなのかを下記にまとめました。

大学院課程の呼称別の博士課程年数

①博士前期課程(2年)+博士後期課程(3年)

 前期と後期で分ける最も標準的な課程。博士後期課程の3年が実質の博士課程に相当。

 *博士前期課程修了は修士号の学位までしか取得できない。

②5年一貫性博士課程

 前期後期で分けないパターンの課程。3~5年目が実質の博士課程に相当

 *希望すれば2年目で修了(実質中退)し、修士号の学位を取得可能。

③後期3年博士課程

 前期=修士に相当する課程がない珍しい課程。もちろんこの3年間が博士課程に相当

 *修士取得後、他大学または他学科で博士号を取りたい人向けの課程。

結論としては、課程の呼称によって標準修業年数が変わることはなく、上記学部では博士課程に相当する課程は基本的に3年で修了するのでご安心ください。

sakuranokii
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博士号には何種類あるかご存知でしょうか?最初に定められた博士号は法学博士、医学博士、工学博士、文学博士、理学博士の5種類でしたが、度重なるルール改正の結果、現在は200種類以上あります。大学側が決めた専攻名を用いて博士(〇〇)と表記する仕組みになり、専攻が細分化されたため多種多様になりました。

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4年の場合もある

4年の場合もある

4年制学部の場合、博士課程が3年なのは分かったけど、

4年制でない学部の場合、博士課程は何年なの?

4年制でない学部、つまり、6年制の学部の場合、博士課程は4年間あります。

医学部医学科、薬学部薬学科(薬科学科ではない)、獣医学部獣医学科、歯学部歯学科の4学科が該当しますね。

これらの学科は博士課程に進学すると、学部時代と合わせて合計10年間も大学で勉強することになります。

医療関係者にはそれだけ高度な専門性が必要なのでしょう。

何だか大変そうに見えますが、進学率は他学科に比べて意外に高いですよ。

「臨床だけでなく研究者としての道も拓きたい」「最新の知識・技術を身に着けたい」「博士号というステータスが出世に役立つ」など進学のメリットが多いのが理由だと思います。

sakuranokii
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特に医学博士というステータスは根強い人気がありますね。大学病院内の出世にも絡んでくるらしいですし。医学博士欲しさに他学科から医学系大学院に進学する人も一定数いるとの噂も聞きます。ステータスの高さが、医学博士の人数が妙に多い理由の1つなのでしょうか?

実際には何年かかる?

実際には何年かかる?

じゃあ3年間か4年間頑張れば博士号は取れるってこと?

残念ながら、時間が過ぎれば自動的に博士課程を修了できるわけではもちろんありません(笑)。

必要な単位を取得することに加え、自分の研究を論文として世に発表しないといけません。

論文を書くのはどの学科も大変なのですが、学科によっては執筆に長期間要する場合もあります。

その結果、標準修業年数内で必要な論文数を発表できず、数年間超過して博士課程に在籍する人も一定数います

つまり、博士課程を修了するのに「実際に」必要な年数は、博士課程の延長も加味して考えるべきです。

文部科学省発行の「博士課程の専攻分野別 入学年度別 卒業者数」には、標準修業年数で博士課程を修了した人数に加えて、何年超過して修了したのかも記載されています。

この調査結果をもとに、博士課程の本当の修了年数を学科ごとに計算してみました。

文系学科人文科学社会科学家政教育芸術その他平均
3年修了者の割合21.9%23.4%51.9%42.8%47.3%27.3%28.17%
本当の修了年数4.94年4.81年3.85年4.3年3.99年4.71年4.71年
3年制理系学科理学工学農学薬学(薬科学科)その他平均
3年修了者の割合58.4%45.0%47.3%64.9%41.9%48.2%
本当の修了年数3.56年3.70年3.68年3.49年3.92年3.73年
4年制理系学科医学歯学薬学(薬学科)獣医学その他平均
4年修了者の割合61.4%71.9%76.7%60.0%52.3%63.4%
本当の修了年数4.50年4.26年4.17年4.26年4.73年4.45年

結果を要約すると、

  • 文系で3年修了者は約3割しかおらず、博士号取得まで平均して4年8か月
  • 理系では3年修了者は約5割で、博士号取得まで平均して3年8か月
  • 4年制博士課程の学科の場合、最短修了者は約6割で、平均して4年5か月で博士号取得
  • 最長なのは人文科学で平均して約5年
  • 最短なのは薬学で、3年制の薬科学科は平均3年半、4年制の薬学科は平均4年2か月

文系は理系に比べ、平均して約1年ほど長く博士課程に在籍しているようです。

文系の方が論文執筆のためのデータ集めが大変だから長期間在籍になると思われます。

文系で博士課程進学を考えている方は、長い闘いになることを覚悟して進学しましょう。

理系の方は、最短で修了する5割の学生になれるように頑張って論文を書きましょう

sakuranokii
sakuranokii

博士課程は勝手には延長できません。標準修業年数より超過する場合には所定の手続きが必要です。必要な単位は取得済みであることが条件の場合が多いです。博士論文の進捗状況含め、指導教員とよく相談しながら進めましょう。

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短期修了も可能

短期修了も可能

逆に言えば、論文さえ出せれば3年もかからず修了することもできるの?

短期間で必要な論文数を確保し、博士論文として認められれば、博士課程を短期修了することは可能です。

ただ、短期で修了することを目標にする必要はないですね。

短期修了するためには、慌ただしく論文執筆と博士論文発表会の準備をこなすと同時に就活もしないといけませんので、正直かなり大変です。

早期に博士論文の目途が立っても、無理に早期修了より、長期間海外留学したり、企業インターンに行ったり、新しいテーマに挑戦したりするほうが、博士課程を有意義に過ごせると思いますよ。

それでも短期修了した方を筆者は何人か知っていますが、理由は大学教員のポスト関係ですね。

アカデミックポストは競争率が高いため、空きができればすぐに埋まります。

ですので、大学教員になりたい方の中には、ポストに空きができるタイミングで博士号を取得するため短期修了を選択する方もいるのです。

sakuranokii
sakuranokii

特別な理由がないのなら標準修業年数いっぱいまで博士課程を楽しんだ方が良いと思いますよ。企業に入ると好き勝手な研究は中々できないので、学生のうちに自分の興味の赴くままに実験する楽しさを存分に味わいましょう(笑)。

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事をまとめると下図のようになります。

博士課程は何年?【学科ごとの違いを解説】まとめ

博士課程の3年間、4年間は学生にとっては長く感じると思います。

ただ今や人生100年時代ですよ。

長い目で見れば博士課程は人生のうちのたった数年間です。

その数年間を頑張れば、博士号という一生使える称号が得られます。

1人前の研究者になりたい気持ちがあるのなら、博士課程が何年かを気にして進学しないのはもったいないと思いますよ。

以上、ご参考になれば幸いです。

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