こんにちわ。sakuranokiiです。
博士課程の奨学金を徹底解説シリーズ第5弾は民間・企業団体からの支援について解説します。
奨学金といえば、普通は国や大学から貰うものじゃないの?
実は、世の中には未来ある学生の学業をサポートしたい民間・企業団体が数多く存在します。
もちろん博士課程の学生を対象とした支援制度も数は多くありませんが存在します。
本記事では、博士課程の学生および進学予定の修士課程の学生が応募できる民間・企業団体からの奨学金制度について一挙ご紹介します。
できるだけ募集条件が広く、かつ、給付型の奨学金に絞ってまとめました。
募集スタート時期別に並べましたので、どこからも支援を受けていない学生はすぐに応募可能な奨学金からどんどん挑戦していきましょう。
また、気になる受かりやすさ=倍率や選考方法についても分かる範囲で記載しましたのでご参考にしてください。
経済的理由で博士課程に進学するか迷っている学生の方は必見ですよ!
募集締切4月~6月
○応募締切:4月中旬に書類一式提出
○採用内定日:6月中旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
自然科学系学科の進学予定の修士課程2年生が応募可能
○給付金額
来年度4月から毎月20万円を3年間給付(計720万円)
学費(授業料、入学金等)支払用に3年間で計250万円まで給付
海外研究活動(短期留学、国際学会等)の費用支払用に3年間で計100万円まで給付
○受かりやすさ
2019年度の倍率は約10倍(応募57人/採用6人)
書類審査と面接で選考
当会指定大学からの推薦者以外にも、公募で奨学生を募っている
○応募締切:4月初め~4月下旬までに書類一式提出
○採用内定日:7月初旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
東京都内の大学院に在籍、もしくは、東京都内に居住の博士課程1~3年生
○給付金額(博士課程の場合)
毎月12万円を博士号取得まで支給
○受かりやすさ
2019年度の倍率は約13倍(応募1015人/採用79人)*上記応募可能者以外も含めた結果
書類審査と面接で選考
○応募締切:3月初め~5月初旬に書類一式提出
○採用内定日:6月下旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程1~3年生まで応募可能
成績条件あり=成績評価のS、A、B(秀、優、良など)の合計比率が80%以上
学費の支払いが困難と認められる学生
○給付金額
毎月3万円を博士号取得まで給付
*6月下旬に採用決定後、4月~8月分が8月に給付される
○受かりやすさ
2018年度の倍率は約4倍(応募80人/採用21人)*上記応募可能者以外も含めた結果
書類審査と面接で選考(3年連続面接は全員合格)
○応募締切:4月初め~5月初旬に書類一式提出
○採用内定日:6月下旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
進学予定の修士課程2年生~博士課程2年生まで応募可能
経済的理由で就学困難な学生
○給付金額(博士課程の場合)
来年度4月から毎月6万円を博士号取得まで給付
○受かりやすさ
2019年度の倍率は約13倍(応募76人/採用6人)
学長の推薦が必要
○応募締切:5月初旬までに書類必着
○採用内定日:7月上旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程1~3年生まで応募可能
経済的理由で就学困難な学生
化学、食品科学、芸術学/デザイン学、体育学/スポーツ科学、経営学のいずれかに関連する研究 に従事する学生
○給付金額
7月に採用後、偶数月ごとに10万円を翌年2月まで給付(計60万円)
*4月~7月分は採用後の7月に一括で給付される
*年度実績等の審査結果によってはさらに1年間継続して給付される
○受かりやすさ
2019年度の倍率は約7倍(応募513/採用76人)*上記応募可能者以外も含めた結果
書類選考のみ
○応募締切:5月下旬までに書類一式提出
○採用内定日:7月上旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程1~3年生まで応募可能
成績要件(前年度までのGPAが3.00以上)と所得要件(目安となる家計収入の上限あり)
○給付金額
毎月1万円を博士号取得まで給付
*7月上旬に採用決定後、4月~9月分が7月に給付され、10月~3月分が1月に給付
○受かりやすさ
倍率不明(2019年度の採用20人)
書類審査と面接で選考
○応募締切:4月初め~6月初旬に書類一式提出
○採用内定日:10月上旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程進学予定の学部4年生~博士課程2年生まで応募可能
医工計測技術および関連分野が研究領域(医学、薬学、工学、理学系学科から採用実績あり)
○給付金額
修士課程時は毎月10万円を2年間、博士課程時は毎月15万円を3年間給付
*来年度から大学院入学の場合は4月から博士号取得まで給付
*すでに大学院に在籍の場合は採用後の10月から博士号取得まで給付
○受かりやすさ
2019年度の倍率は約7倍(応募69人/採用10人)
書類審査と面接2回で選考
○応募締切:5月上旬~6月上旬に書類一式提出
○採用内定日:7月下旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程1~3年生まで応募可能
経済的理由などで就学困難な学生
○給付金額
毎月3万円を博士号取得まで給付
*採用後の8月下旬に4~6月分が給付され、9月下旬に7~9月分が給付
○受かりやすさ
倍率不明(2019年度の博士課程採用数は10人)
書類審査と必要に応じて面接で選考
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募集締切7月~9月
○応募締切:6月初め~7月末までに書類一式提出
○採用内定日:10月上旬に通知
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
関東地方(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川)の大学院に属する学生
博士課程1~3年生が応募可能
経済的支援が必要とされる学生
○給付金額
30万円を1年間で分割して支給
*初回給付時に4~10月分の17.5万円を給付し、以降は毎月2.5万円を3月まで支給
○受かりやすさ
倍率は不明(2019年度の大学院生採用数は12人)
書類審査と面接で選考
○応募締切:7月初め~8月末までに書類一式提出
○採用内定日:10月中に通知
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
関東地域の大学院に属する進学予定の修士課程2年生~博士課程2年生が応募可能
○給付金額
来年度の4月・7月・10月・1月に30万円給付(計120万円)
*継続審査に合格すれば最長で博士号取得まで給付される
○受かりやすさ
2018年度の倍率は約2倍(応募22人/採用14人*そのうち5人は辞退)
書類審査と面接で選考
○応募締切:8月末までに書類一式提出
○採用内定日:11月末ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程1~3年生の女性が応募可能
過去に大学女性協会から支給を受けたことがある場合は応募不可
○給付金額
20万円を1回限り給付
○受かりやすさ
倍率不明(2020年度の大学院生採用数は6名)
書類審査のみ
○応募締切:9月中に書類一式提出
○採用内定日:11月以降
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
関東地域(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の大学院に在籍の学生
進学予定の修士課程2年生~博士課程2年生が応募可能
○給付金額
来年度の4月から毎月7万円を1年間給付(計84万円)
○受かりやすさ
2019年度の倍率は約3倍(応募13人/採用4人)
書類審査と面接で選考
募集締切10月~12月
○応募締切:9月初めから10月末までに書類一式提出
○採用内定日:3月末ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程進学予定の学部4年生~博士課程2年生まで応募可能
○給付金額
来年度4月から毎月定額を給付されるが、博士号取得までの期間により異なる
1~2年の場合:毎月20万円、3年の場合:毎月18万円、4~5年の場合:毎月15万円
○受かりやすさ
2020年度の倍率は約52倍(応募313人/採用6人)
書類審査と面接で選考
○応募締切:9月中旬から10月末までに書類一式提出
○採用内定日:2月中旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
進学予定の修士課程2年生~博士課程2年生まで応募可能
経済的理由で就学が困難な学生
○給付金額
来年度4月から奇数月ごとに6~10万円を1年間給付(計36~60万円)
*4・5月分は採用後の3月に給付され、以降は5・7・9・11・1月に給付
○受かりやすさ
2020年度の倍率は約4倍(応募166人/採用44人)*上記応募可能者以外も含めた結果
書類審査と面接で選考
○応募締切:12月中旬までに書類一式提出
○採用内定日:3月中旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
進学予定の修士課程2年生~博士課程2年生まで応募可能
過去に山田長満奨学会から支給を受けたことがある場合は応募不可
○給付金額
来年度4月から毎月12万円を1年間給付(計144万円)
○受かりやすさ
2018年度の倍率は約49倍(応募292人/採用6人)*上記応募可能者以外も含めた結果
書類審査と面接で選考
sakuranokii
他の奨学金制度と併用可能な奨学金もあれば、禁止にしている奨学金もあります。もし併用を考えているなら、募集要項を確認してくださいね。
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募集締切1月~3月
○応募締切:3月末までに学生から電話申込し、4月末までに書類一式提出
○採用内定日:6月中旬ごろ
○応募可能な博士課程 or 進学予定の学生
博士課程1~3年生まで応募可能
日本学生支援機構第1種に準ずる家計基準の学生
成績条件あり(前年までに標準修得単位を修得済みであり、前年度までの通算GPAが2.8以上)
○給付金額
6月に採用決定後、奇数月ごとに6万円を博士号取得まで給付
*毎年度末に継続可否の審査は実施する
○受かりやすさ
倍率不明(2020年度の採用数は18人)
書類審査と面接で選考
sakuranokii
応募書類作成は(慣れないうちは特に)思ったより時間がかかります。基本的に応募締切の1か月以上前から準備を始めるのが良いですよ。特に、指導教員や研究科長などに推薦書作成を依頼する際は期限に余裕をもって頼むのが礼儀です。
気を付けてほしいこと
本記事で紹介した奨学金制度は合格さえすれば後は奨学金をもらうだけではありません。
どの奨学金も採用者としての義務があります。
詳細はHPをご参照頂きたいですが、近況報告書の作成、定例行事への参加、修了後の同窓会への参加が義務付けられていることが多いですね。
義務を守らないと即刻奨学金の支給が止められる上に、今までの奨学金の返済を要求される場合もあります。
さらには、大学や専攻の印象が悪くなり、後輩たちにも迷惑をかけることになりますよ。
採用者の義務は必ず守りましょう。
義務と言われるとつまらないことをやらされると思うかもしれませんが、そうとも限りません。
行事や同窓会に参加し、全国の優秀な同年代と知り合えることは良い刺激になるし、研究者としての視野も広がるはずです。
つまり、民間・企業団体の奨学金はお金を頂くだけでなく、お金で買えない人脈も作れます。
経済的支援を受けていない学生は民間・企業団体の奨学金に応募しない手はありませんね。
以上、ご参考になれば幸いです。
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