こんにちわ。sakuranokiiです。
博士課程に興味がある大学生の方はこんな疑問をお持ちではないでしょうか?
ネットで博士課程の就職は難しいってよく目にするけど本当?
普通の学生より勤勉な博士が就職しにくいのは違和感がある……
博士課程の学生として就活を経験した筆者から見ると、ネットでは博士課程の就職に関して悪い方向の誤解が多いように感じます。
そのあらぬ誤解は優秀な学生が博士課程への進学を躊躇する要因になってしまうかもしれません。
日本で優秀な研究者を育てる上で、博士課程の就職に関する正しい情報を伝えて就職への不安を払拭することは重要だと思います。
本記事は後編として「コミュ力が低いという誤解」「視野が狭いという誤解」「就職方法に関する誤解」「年齢の採用への影響に関する誤解」について解説します。
博士課程に進学するとコミュ力が下がるから就職が不利?
博士課程に進学するとコミュ力が下がるから就職が不利って本当?
博士課程に進学するとコミュニケーション能力が下がって就職が不利になってしまうという話はよく聞きます。
結論から言うと、博士課程に進学したからといってコミュニケーション能力が下がることはありません。
実際、筆者が知り合った博士でコミュ障の博士ははっきり言って少数派でしたね(笑)。
博士課程は1人で黙々と実験するイメージがあるかもしれませんが、コミュニケーションが要求される場面は多々あります。
例えば下記です。
上記のような生活をしていたらコミュニケーション能力が下がるわけありませんよね(笑)。
ですので、博士は研究室生活を通じて鍛えられたコミュニケーション能力も就活でアピールしたほうがいいです。
研究室という組織は上司にあたる教員と部下にあたる後輩たちがいて会社組織に近い構造ですので、研究室の組織運営での活躍は特に良いアピールポイントになると思います。
博士課程は基本的に研究職に就きますが、企業研究職は想像以上にコミュニケーション能力が重要な職種です。企業は大学と違って1つの研究テーマに大人数が関わるので、部内外の方々と協力しながら仕事を進めることが研究職には求められます。詳しくは過去記事「企業の研究職に求められる能力とは?」をご参照ください。
博士課程は視野が狭いから採用されにくい?
博士課程は視野が狭いから採用されにくいって本当?
博士課程は視野が狭いから採用されにくいという話もよく聞きます。
結論から言うと、博士課程の学生の方が視野は広いです。
博士課程に進学するとニッチな専門分野の勉強しかしないと思われがちですが、実際は研究室内の勉強会や学会、特別授業などで様々な分野の知識が身に付きます。
博士課程の学生は好奇心旺盛な人が多いので、自主的に異分野の勉強をする人も珍しくありません。
実際に筆者は化学専攻ですが、最近流行りの人工知能関連の書籍を休みの日に読んだりしてましたよ。
知り合いの博士も圧倒的に物知りな人が多かったですね。
また、勉強だけでなく豊富な人生経験に基づく視野の広さも博士課程では身に付けられます。
例えば、研究室の学生のリーダーとして多くの後輩たちの面倒を見る中で、色々な考え方を知ることになります。
海外留学に行けば、その国の文化や外国人の物事の捉え方を学ぶことで視野は大きく広がりますね。
このように真っ当な博士課程を過ごしていれば、視野は自然と広くなることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
広い視野をきちんと就活でアピールすれば、博士は視野が狭いという印象とのギャップもあり、就活を有利に進められると思いますよ。
どうも世間では博士課程は勉強しかできないイメージが強いようですね(笑)。ですが、実際は研究室という組織の中で対人関係について学びますし、研究室外の方々とのやり取りも博士課程に進学すれば経験するので社会勉強もしています。本当に勉強しかできない浮世離れした博士の方が珍しい存在ですよ。
博士課程は就職の方法が普通と違うから就職が難しい?
博士課程は就職の方法が普通と違うから就職が難しいって本当?
博士課程は就活の手順が他の学生と異なるから就職が難しいという噂もよく聞きますね。
結論から言うと、博士の就活の手順は他の学生とそんなに変わらないです。
確かに、博士課程の学生に対しては経団連が定めたいわゆる就活ルール(3月広報活動開始~6月選考開始~10月内定)は適用されず、比較的自由な採用活動が許されています。
ですが、結局のところ主な違いはエントリーの時期が早いことぐらいです。
博士は気になる企業の就職開始時期は早いうちに必ず調べておきましょう。
調べ方はシンプルで、企業の採用HPには博士課程の学生向けの情報もきちんと書かれているので、昨年度の情報をチェックしておけば安心です。
エントリーした後は博士課程の学生もESを書きますし、適性検査だって受けますし、面接だって何度か受けますよ。
一般的な博士課程の就活の流れについてさらに詳しく知りたい方は過去記事「博士課程の就職体験記~就職の一連の流れ編①~」をぜひご参照ください。
博士課程に興味があるなら、博士の就活の流れは一通り予習しておいた方が良いですね。
類似した誤解として「博士課程の学生は教授のコネで就職するのが普通」という話もたまに耳にしますが、教授のコネで就職できるほど今の就活は甘くありませんよ(笑)。ただし、就活ルールが適用されない博士課程の学生ならではの就職ルートはレアケースですが確かに存在します。興味がある方は過去記事「博士課程の就職体験記~就職の一連の流れ編②~」をご覧ください。
博士課程は新卒入社の割に高齢なので採用されにくい?
博士課程は新卒入社の割に高齢なので採用されにくいって本当?
博士課程は新卒入社の時点で30歳手前と高齢なので企業は採用したがらないという話もよく聞きます。
結論から言うと、新卒枠で応募した博士が年齢を理由に採用されないことはありません。
確かに20代後半は新卒としては高齢ですが、多くの企業ではまだ若手に分類される年齢です。
まだ十分に成長の余地がある年齢なのに、本当に年齢が理由で企業は博士を採用しないのでしょうか?
博士を採用しない企業にその理由を聞いた調査結果がありますが、主な理由は博士の能力に対する不信感やその企業の人材育成方針であり、年齢が理由との文言はありません。
落とされる原因は年齢ではなく、企業が欲しい人材ではなかったからです。
応募する企業が欲しいのはどんな人材であるかを把握し、それに自分がマッチすることを積極的にアピールしましょう。
企業が欲しがる人材像を把握するためには、「採用HPを注意深く見る」「その企業のOBOGから話を聞く」のが効果的です。
一般的に企業がどんな人材を欲しているかを知りたい方は過去記事「企業が求める人材像の例ランキング」をご覧ください。
類似した誤解として「博士課程は採用人数が少ないから就職が難しい」と言う噂もたまに耳にします。ですが、博士課程はそもそも絶対数が少ないので少人数しか採用しないのは当然と言えば当然です。また、企業は「博士を今年は〇〇人採用したからこれ以上採らない」といった制限は明確に決めておらず、雇いたいと思える人が多ければその分多く採用するそうです。採用人数が何人かなんて意識しても何の意味もないですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事の内容をまとめると下記のとおりです。
博士課程だから就職が不利という認識はもはや時代遅れです。
博士課程で就職に苦労する人は修士でも苦労していたと思います。
就活では相手企業が欲しいと思う人材にいかに自分を近づけ、そして、適切にアピールできる人が内定を頂けます。
そこに学歴は関係ないのです。
博士課程でもきちんと就活対策すれば普通に就職できますよ。
ただもしかしたら博士課程の学生は研究に没頭するあまり、就活対策をおろそかにする人が多いのかもしれません(笑)。
就活を甘く見ず適切に対応すれば、普通の学生よりはるかに勤勉な博士課程の学生が不利なわけありません。
以上、ご参考になれば幸いです。
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