こんにちわ。sakuranokiiです。
博士課程の生活に対して多くの方が抱くイメージはこんな感じではないでしょうか?
博士課程に進学すると地獄の生活が待っている・・・
博士課程が楽しいわけがない・・・
「博士課程」と入力すると、予測変換で「博士課程 地獄」と上位に出てきます(笑)。
世間では博士課程に進学すると大変な毎日を過ごすことになるというイメージが強いようですね。
本記事では、博士課程に進学した筆者が実体験をもとに、博士の普段の1日の過ごし方をご紹介いたします。
本記事を読めば、博士課程での生活が実際はどんな感じなのか具体的なイメージがわくと思います。
博士課程に興味がある方、進学するか悩まれている方に是非読んでほしいですね。
*筆者は化学専攻の有機合成系研究室の出身ですので、他研究分野の博士は違う生活スタイルかもしれません。ご参考までに。
朝:実験開始・実験計画考案・論文執筆など
朝はだいたい8時起床で9時過ぎには研究室に来てました。
朝は頭が一番冴えているので、その日で一番重要な事をやります。
大体は実験を仕込んで、待ち時間に実験データの解析ですね。
解析しながら今後の研究の進め方を考え、明日以降の計画を立てます。
後述しますが、博士課程に進学してからは実験以外にもやることが多くなります。
「今一番重要な課題とその解決策は何か?」を常に明確にし、実験を効率よく進めることで時間を作っていました。
課題の明確化のために、じっくり腰を落として結果を見つめなおす、文献調査する時間をとるように意識していましたね。
このように博士になってからはどんなテーマでどんな実験をするか自分で考えてましたので、かなり自由に行動してました。
今思うと結構好き勝手やってましたよ(笑)。
担当テーマの完成が近ければ論文の執筆も朝にします。
面白い背景や論理的な実験データの見せ方、適切な英語表現を考えるために頭をだいぶ捻ります。
プレゼンを控えていればスライドの構成を考えたりもしますね。
このように頭脳労働はできるだけ朝に終わらすように意識していました。
実験計画上調べる必要のある論文はすぐに印刷して手元に置いておきました。あとにすると面倒になって中々調べないことを経験から学びました(笑)。手元にさえ置いておけば隙間時間にざっと読めるのであまり面倒にならないですよ。
昼:実験の続き・教員や学生とディスカッション
昼食を済ましたあとは、朝に仕込んだ実験の続きからスタートです。
夜に実験するとついつい帰りが遅くなるので、実験については昼間に一区切りつけるように意識してました。
隙間を見つけて指導教員とディスカッションします。
実験で困っていることや思いついたアイデアについて意見を頂きます。
論文の添削をして頂くときは、論文の構成やデータの見せ方、適切な英語表現について何時間にもわたり議論したことをよく覚えています。
また、時間を見つけて面倒を見ている後輩の実験の進捗を確認します。
困ってることがあればアドバイスし、今後の進め方についての議論をしましたね。
昼間は眠くなる時間帯なので、このようにできるだけ実験して体を動かすこと、人と話すことを意識してました。
特に教授と議論すると目が覚めるので、昼間に行くと一石二鳥でしたよ(笑)。
面倒を見る後輩が4年生のときは毎日何かしら話してましたが、修士1年生になると週1,2回まとめて話す感じでした。修士2年生になる頃には(博士進学するというのもあってか)ほぼ独立してましたね。後輩の指導も博士の大事な仕事ですが、早くに自立してくれたおかげで自分の時間ができてありがたかったです(笑)。
夜:勉強会・文献調査・データ整理
夕食を学内で済ましたらもうひと頑張りです。コアタイムは17時までですが、まだ帰りませんよ(笑)
週2回、夜から勉強会(簡単に言うと担当者が最近の論文を紹介し議論する会)が開催されます。
勉強会の種類によりますが大体2−4時間ぐらいやってましたね。
特に博士になってからは内容もよく分かるので楽しい会でしたね(担当者の場合は大変でしたが・・・)。
勉強会がない日は主にテーマに関連する文献の調査やデータ整理&報告書作成をしてました。
余裕があるときは、最近の論文をチェックして知識を増やしながら、新しいアイデアを考えます。
アイデアを考えている時間が研究の中で一番ワクワクしますね。
博士に進学してからは実験するだけでなく、このように論文を読む時間がかなり増えました。
担当テーマの背景調査のためでもありますが、新規テーマを考えるうえでも興味のある分野の論文をたくさん読むことは大事だと思いますよ。
筆者の場合は大体夜23時以降に帰宅してました。
帰宅後は1時までには寝て7時間以上寝ることは心がけていましたね。
長い1日が終わりました(笑)。普段はこんな1日を過ごしますが、時期によって変わります。学会シーズンはデータ出しに要旨づくり、スライド作りに忙しいです。卒論・修論・公聴会の時期になると発表練習の時間が1日の大部分を締めます。バラエティに富んだ密度の濃い毎日を過ごしていましたね。
土日の過ごし方は?
筆者の研究室は土曜日もワーキングデーですので、平日とあまり変わらない土曜日を過ごしていました。
ただし、コアタイムは午前中までなので、用事があるときや何となく疲れた日は昼間に帰ってましたよ(笑)。
土曜日は教員含めみんな早く帰るので、夕方以降はかなり静かでしたから、実験もデスクワークも良く捗りましたね。
日曜日はよほどのことがない限り流石に一日休みます。
修士2年生の頃、新規テーマが難航していた時期は日曜日でもよく実験してました。
あのときは体力があったのか疲れませんでしたが、博士に進学してからは(年齢のせいか)疲れが残るようになったのでちゃんと休むスタイルに変えました(笑)。
無理せずリフレッシュしたほうが頭が冴えるので、きちんと休む時間を作ることを博士にはオススメしますよ。
日曜日はよく読書をしてました。興味のある分野の教科書を読むときもあれば、雑学系の本、自己啓発本、小説など色々読みました。専門分野を極めることも大事ですが、視野が狭くならないように多彩なジャンルに好奇心を持つことがどこかで役に立つかもしれませんよ→博士課程の就活体験記【面接で聞かれたこと編】
まとめ
いかがでしょうか?本記事をまとめると下図のようになります。
振り返ってみると、博士課程時代は実験に加えて、文献調査や論文執筆、後輩の指導などやることが多い日々でしたね。
上記以外にも、学振等の申請書作成、TAとして授業の手伝い、研究室内のトラブル対応などなど挙げだすときりがないですね(笑)
人によっては地獄のような忙しさに見えるかもしれません。
ですが、筆者の思う地獄のような生活とは、好きな研究ができず、教員の命令に振り回させ、無理やり長時間拘束されるような生活かと思います。
筆者の場合は全くそんなことはなく、拘束時間は長いですが基本的には毎日好きな研究を思う存分してきたし、それが歓迎される環境だったため楽しかったですね。
自分のやりたいことができ、日々成長を感じられる環境であれば、拘束時間が長くてもつらくないですよね。
研究が思ったように進まない時期や大事なプレゼン前、卒業前など博士特有の大変な瞬間も確かにあります。
しかしながら、それを乗り越えることで研究者として1人前になれるのです。
やりがいが感じられる環境を選ぶ、自ら環境を作ることが、博士課程を天国にする方法ですよ。
興味があれば、環境選びと環境作りについての過去記事もご参照ください。
以上、ご参考になれば幸いです。
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