Q:博士課程は就職できないって本当?
A:そんなことはないです(笑)。博士課程に進学しても就職は不利にはなりませんし、逆に有利にもなりません。個人の努力の結果が就職活動では出ます。詳しくは過去記事「博士課程進学者の就職は不利か?」をご参照ください。
Q:博士課程の就職は理系の方が有利?
A:有利です。博士は基本的に研究職として雇われますが、研究職は理系の方がなりやすいです。文系博士は就職するとしたら大学教員か、もしくは、金融業界の企業で市場動向の研究職に就くなどが選択肢としてあります。また、難易度は高いですがシンクタンクに就職するのもありだと思います。
Q:博士課程の就職は民間就職と大学への就職のどっちが多い?
A:民間企業への就職が多いです。大学教員のポストは競争が激しく簡単にはなれないので、その道を選ぶ人は少数派ですね。
Q:博士課程の主な就職先は?
A:主に製薬、化学、電子・電気・OA機器業界の企業が多いです。これらの業界は博士課程を積極採用しています。また、どの業界でも研究開発に力を入れられる大企業は博士採用に積極的なので有力な就職先です。詳しくは過去記事「博士におススメの業界」をご参照下さい。
Q:博士課程からポスドクになる人はどれくらいいる?
A:令和2年度学校基本調査の博士課程状況別卒業者数によると、博士課程修了者のうちポストドクターになる割合は約8%でした。理学部の博士課程はポストドクターになる割合が最も高く約20%ほどです。
Q:博士課程は確実に研究職として採用される?
A:間違いなく研究職として採用されます。ただし、ずっと研究職でいられるかは分かりません。入社数年後に異動命令で研究職以外の職種になる人もいます。
Q:博士課程修了者の年収は修士課程修了者より高い?
A:高い傾向にあります。内閣府設立のe-CSTIが実施した人材育成に係る産業界ニーズの分析の結果では「いずれの職種においても、業務との関連度、やりがい、年収レベルは、概ね、高専・学士<修士<博士の傾向がみられる」との記述があります。具体的にどれだけ違うかなどの詳しい分析結果を知りたい方は過去記事「博士課程修了者の給料事情~博士と修士どっちが稼げる?~」をご参照ください。
Q:博士課程修了者の初任給はどれくらい?
A:平均して約26万7千円です。修士の初任給よりも平均して約2万5千円高いです。ちなみに最も博士の初任給が高い業界は「薬品」で平均約29万5千円です。他の業界の博士の初任給も知りたい方は過去記事「理系企業200社の博士卒初任給の業界別ランキング」をご覧ください。
Q:博士課程は採用面接でどんなことを聞かれる?対策は?
A:自分の研究内容に関する質問がほとんどです。他には科学全般に関しての質問や学生時代の活動に関する質問、企業での研究活動に関する質問がありました。具体的な質問内容や質問対策を知りたい方は過去記事「博士課程の就職体験記~面接で聞かれたこと編~」参照。
Q:博士課程はESにどんなことを書いたら良い?
A:他者との差別化を図るために、博士課程に進学したからこそできた経験や得られたスキルをアピールするのが有効です。例えば、筆者は自己PRでは博士課程で培った高い研究遂行能力で事業に貢献するとアピールしました。詳しい例を知りたい方は過去記事「博士課程の就職体験記~ESに書いたこと編~」をご参照ください。
Q:博士課程は修士課程と違って就活では業績が重視される?
A:そんなことはないです。もちろん業績なしの博士よりも素晴らしい業績がある博士の方が有利ですが、もっと重視されるのは課題設定力や課題解決力、チャレンジ精神などの研究者としての素養の部分です。博士といえども新卒で採用される人は実績よりもポテンシャルで評価されます。
Q:博士課程なら就職先で海外もあり?
A:英語に自信があるなら大いにありです。海外企業の方が博士採用に積極的ですし、また、一般的に日本企業より待遇が良いです。貴重な経験ができるので将来的に日系企業に転職するとしても有利ですよ。
Q:博士課程の就職活動の流れは?
A:博士課程はいわゆる就活ルールの適用外なので一般的な大学生とは一部異なった流れの就活になります。簡単に言うと就職活動が2~3ヶ月ほど早いスケジュールで進みます。例えば、博士課程のエントリー時期は12月~1月が多いので気をつけましょう。詳しい就職活動の流れは過去記事「博士課程の就職体験記~就職の一連の流れ編①~」参照。
Q:博士課程は企業とのコネで就職する?
A:そんなことはないです(笑)。普通に就職する人がほとんどです。ただ、企業とのつながりは就職の糸口になります。実際に筆者は奨学金制度のイベントで企業との交流会に参加したことが就職につながりました。博士課程ならではの就職の実例について詳しく知りたい方は「博士課程の就職体験記~就職の一連の流れ編②~」をご覧ください。
Q:博士課程は企業では使えない?
A:その博士の能力によるので一概には言えません。企業で求められる能力は大学とは違いますので、そのギャップを埋められなかった博士は使えないと認識されてしまうかもしれません。企業研究職に必要な能力や企業が博士に期待することが知りたい方は過去記事「企業の研究職に求められる能力とは?」「企業は研究職の博士に何を求めるのか?」参照。
Q:博士課程はインターンシップに行くべき?
A:行っても行かなくても良いと思います。インターンは仕事現場を生で見れるし社内の人から貴重な情報も聞けるメリットがある一方で、本業の研究はストップしてしまうので一長一短です。行くとすれば卒業に必要な本数の論文が出せる目途が立ってからにした方がいいですね。ちなみに筆者の知り合いの博士はインターンに行った人の方が少数派でした。
Q:博士課程在籍中に起業する人っている?
A:筆者の身近にはいませんでしたがSNS等で見かけますね。起業は博士号を取得してからでもできるので、個人的には博士課程在籍中は研究に注力した方が良いかと思います。
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